幸いなことに、刊行されてからこれまでにこの本について知っていることといえば、タイトルと、泣ける話だということ。この2点であった。
タイトルに気持ち悪さだとか怖さだとかは全くなく、足掻きだとかやるせなさだとか、そうしたいと願うような何かがあったのだろうと推測していた。
泣ける話だと帯に書いてあるからこそ、センセーショナルとも言えるタイトルが気になって単行本で刊行当初に買ったものの、気持ちが向くまで開く気になれなかったのだ。
冒頭にあるので書いてしまっていいだろう。
物語の始まりは、同級生の女の子の葬儀が執り行われたことと、主人公である「僕」が、それに行かなかった、というシーンから始まる。
最初から、その子は亡くなるのだ、とわかった上で読み進めていく「僕」視点の考え方と景色。学校。
それがどのように変化していくのかは、思春期ならではのもの、だけではないと思う。
思いがけない出来事と、「僕」も知りえなかった彼女からみた世界が後半に入り徐々に押し寄せてきて、最後の方は胸がぎゅーっと締め付けられながら一気読みした。
タイトルの意味がわかったところで、もう一度冒頭部分を読み返した作品。
読書状況:読み終わった
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書棚
- 感想投稿日 : 2023年3月14日
- 読了日 : 2023年3月13日
- 本棚登録日 : 2019年4月20日
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