読み終えて、まるで峻烈な炎だなと思った。蘇我氏と物部氏が対立する中、王位を欲して生き急いだ穴穂部王子の姿が、鮮やかに描かれている。その輝きは、王子が手をのばそうとした星の瞬き1つほどの時間かもしれないが、だからこそいっそう強く心に残るのだろう。そして勢力争いという表舞台の陰で、韓人たちが作り上げた技の結晶にひそむ企み――たくみな技術と仏教のコラボにより、じわじわと潜在的に日本への支配力を強めていく外つ国の意図が恐ろしい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
国内:古典題材・歴史時代物
- 感想投稿日 : 2010年6月28日
- 読了日 : 2010年6月28日
- 本棚登録日 : 2010年6月28日
みんなの感想をみる