プロローグと第一部からで文体が変わるので、ここからが円城氏かと非常にわかりやすかった(笑)。
しかし終わってみれば、面白いけれど、思ったより深みがないなという印象を受けた。
着想はとても魅力的なのに、読者を煙に巻かんばかりに変にこね繰り返しているような……そのせいで、かえって輪郭がぼやけ、ただ重厚に見せかけているだけという感じがした。設定等と文章があっていないという違和感を、この本で言っても仕方ないのだが、やはり借り物のにおいがぬぐえなかった。
とはいえ、実在・架空問わず有名な人物や戦争が入り交じっての展開にはついつい口元がゆるんでしまう。あれこれ文句は言ったが、ここまでのものに仕上げた円城氏はすごいと思うし、拍手を送りたい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
国内:SF
- 感想投稿日 : 2012年10月23日
- 読了日 : 2012年10月23日
- 本棚登録日 : 2012年10月23日
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