英語「なるほど!」ライティング―通じる英文への15ステップ

  • 講談社インターナショナル (2007年9月5日発売)
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感想 : 13
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本書は、(1)高校の英語でやるような和文英訳の問題はそれなりにできるが、(2)論文やレポートなどの形で、事実や自分の考えをまとまった文章として書こうとするとなかなかうまく書けないと感じており、(3)「英語論文でよく使う表現・文例」みたいな本を参考にしようとするのだけれど、いまいち参考にならないというか使いこなせていないというような人にぴったりの英文ライティング教科書である。英語でのアカデミック・ライティングを生業とする人は、できるだけ早い段階で読んでおくことを勧めたい。

本書では、英語らしい文章の書き方として3つのC(Clear, Concrete, Confident)を挙げる。そして、日本人が犯しやすい過ちや、日本人的な発想から生じる悪い文、文章の具体例を挙げながら、それらをどう改良すれば英語らしくなるかを、まさにclear、concreteかつconfidentに説明してくれている。

前半は、英語らしい「文」の書き方である。日本人的(というか、日本の英語教育的)発想のいかにも冗長な文が、いくつかのコツをつかむとあれよあれよと簡潔で3Cな文に返信する。具体的には、「モノを主語にする」「否定表現を避ける」「意味の重複を避ける」などは、言われてみればそうだが、なるほどと思う。このあたりの説明の鮮やかさは、なんだか、すぐにでも英文を書きたくなってしまう。

後半は英語らしい「文章」の書き方である。内容的には、TOEFLのエッセイの書き方の解説本に書かれているのとあまり変わらないが、それらよりずっとわかりやすい。これは、前半で「文」の書き方をしっかり解説してくれているせいでもある。要点を先に書く、ひとつの段落は「Point-Reason-Example-Point」の「PREP」を意識して書く、ということからはじまり、文章全体をどう構成してゆくべきかが書かれている。

著者は日本人の二人組。あとがきによると、ひとりは日本で育ち、海外の大学で(たぶん英文学を)学んだ人、もうひとりはアメリカ育ちの日本在住の人のようだ。そして二人とも翻訳を仕事としているそうだ。英語らしい英語、日本的な英語、日本語をよくわかる二人であったからこそ、このような本が書けたのだろうと思う。感謝。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 仕事効率化
感想投稿日 : 2014年2月24日
読了日 : 2014年2月22日
本棚登録日 : 2014年2月22日

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