みずうみ (新潮文庫)

  • 新潮社 (2008年11月27日発売)
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本棚登録 : 3169
感想 : 233
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休みの日に部屋でゆっくり紅茶でも飲みながら、しずかに読みたい本。

内容は重めではあるのだけど、文体や浮かんでくる風景がとてもきれいで、私はとても好き。
本の随所に、人生で大事なこととか人間の本質が詰まっている気がして。
それを読み漏らさないように、じっくり噛みしめて読みたくなる。

誰かと本気でつきあうこととか、人を愛すること…
それは恋人でも、母と娘、父と娘、母と息子、見ず知らずの子どもに対するものでも、
それぞれの愛の形や表現があって、
どれも素晴らしいものだね。

この本を読んだら、
私は誰かを本気で愛せたことがあったのか?
子供が生まれたとして、ここまで全力で愛せるのか?

今まで私が愛していたと思ったことなんか、生ぬるくも感じるけど
今は未熟だったとしても、いつかそんなふうに本気で人を愛せるようになりたいなと思う。

その人にどんなに深く壮絶な過去があったとしても、その人が好きならば
ちゃんと今を見て、向き合って、
良いも悪いもなく、その人のすべてを受け止められる懐の深さを持ちたい。


あと、本の中の大事な場面で
登場人物が馬に出会って、馬にとても心動かされ救われ、感謝するというところがあるのだけど
その部分がとても好き。
馬は本当にそういう生き物だと思う。
馬も愛だ。
そんな馬を愛せた登場人物も好き。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年4月22日
読了日 : 2023年4月22日
本棚登録日 : 2023年4月22日

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