なぜ君は絶望と闘えたのか―本村洋の3300日 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2010年8月28日発売)
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感想 : 118
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 司法を変革させるに至った光市母子殺人事件を9年間追ったドキュメンタリー。
 本村さんの強さには感服するほかなかった。他人の私でさえ何度も涙がこぼれ読み続けるのは精神的に堪えた。私の心情など比較する事すら失礼なのですが。本村さんの生き抜いた過酷さは言葉では形容できないものだろう。
 目を背けたくなるような凄惨な事件の性質上、情けなくも深く知るのは避けたい気持ちがあったが最終的に読めて良かったと思える。それ以上に日本の法制度、死刑制度について深く知りたい気持ちが芽生えた。むしろ国民の一人として考えなければならない義務と感じた。
 忌むべきは事なかれの風潮、被害者軽視、現場を鑑みない実態でしょうか。私も含めて責任を逃れたいと思っている限り何も変えらなれないんだと痛感しました。
 ご遺族の方々に平穏な生活が戻ること、こんな事件が二度と起こらないことを願います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: Essay/Non-fiction
感想投稿日 : 2012年3月14日
読了日 : 2012年3月14日
本棚登録日 : 2012年3月9日

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