繰り返しの展開が続いていくので、少し飽きかけたところに、まさかの展開が!
ほっとしたのもつかの間、ラストの一文に「えっ…!」となって終わる…
想像の余地があるオチが見事!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
おかあさんがクッキーを焼いてくれた。
お腹がぺこぺこのビクトリアとサムは、さっそくクッキーを食べようとしたところ、友だちがやってきた。
「一緒に食べてって」とおかあさんは友だちを家の中に入れた。
「○人だから○枚ずつだね」
クッキーを分けて、食べ出そうとした瞬間、またピンポーンと玄関ドアが鳴る…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
…というような展開がしばらく続きます。
クッキーの数は有限で、友だちが増えれば増えるほど、ひとりが食べられるクッキーの枚数も減っていきます。
なので、文章はほぼ繰り返しなのに、玄関ドアがピンポーンと鳴るたびに、クッキーを食べようとしていた子どもたちの表情がだんだん変わってきていて、すごくおもしろかったです。
小3の娘に読み聞かせをしましたが、前半部分は増えていく友だちに対して、何枚クッキーを食べられるかを計算して楽しみました。
しかし、クッキーの枚数と友だちたちがおなじ人数になってしまったあと、玄関ドアのチャイムが鳴ったときには、娘は「えー?!これからどうなるの?!」という感じの表情をしていて、ドキドキしていたようです。
そしてその後の展開にほっとしていたのもつかの間、ラストの一文でまた「えっ」という顔になっていた娘でした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
クッキーの割り当て枚数を計算して楽しむこともできつつ、割り当て枚数が減っていく子どもたちひとりひとりの表情から、言葉では書かれていないそれぞれの心情を読み取る楽しさもあります。
場面場面でどんな行動をとったらいいのか、選択の余地がある中で、登場人物たちがとった行動をみて、読み手はいろいろ想いを巡らせることができます。
絵もお話もしっかり一体化していて、すごくおもしろい絵本でした。
年中~小学校低学年くらいまでにオススメの、読み聞かせ絵本です。
- 感想投稿日 : 2021年5月24日
- 読了日 : 2021年5月17日
- 本棚登録日 : 2021年5月17日
みんなの感想をみる