「でも、八雲君は何も言ってくれません」
「それは、晴香ちゃんも言わないからでしょ」(90ページ)
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「わたしは、拘置所に居ながらにして、一心を殺す」
絶対的な悪意の塊である七瀬美雪は、拘置所の中でそう予告した。
そしてその予告通り、一心はお堂で刺されてしまう。
叔父である一心が倒れても、普段と変わらない様子の八雲に、晴香は“自分は頼りにされていない”という苛立ち、落胆してしまう。
それぞれの事実と個々の思惑とが重なり合うとき、ひとつの真相が八雲の前に姿をあらわす…。
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ヒロイン・晴香が初の表紙を飾った下巻!
鈴木康士さんによって描かれた晴香の姿を見れて、嬉しかったです。
それだけでなく、表紙をよく見ると、晴香の後ろには一心と奈緒の姿も!
そして上巻の八雲と対になるようにデザインされていて、なんとも粋な演出です。
(ちなみに上巻バックには、後藤刑事と石井刑事らしき影が!)
七瀬美雪の予告通り、刺されてしまった一心。
しかし八雲は普段と変わらない様子に見え、八雲が何を思っているのか、晴香にはまったく見えません。
そんな悩みを、新聞記者の真琴にポロッともらした晴香は、真琴から思いがけない言葉をかけられます。
「でも、八雲君は何も言ってくれません」
「それは、晴香ちゃんも言わないからでしょ」(90ページ)
八雲は何も言ってくれない。
けれど、晴香も自分の思いを伝えていないことに、晴香はやっと気がつくのです。
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本音をうち明けてほしい。
自分を信用してほしい。
そう願うことは多いです。
でも案外見落としがちなのは、「自分の本音をまず、相手に伝えなければいけない」ということです。
本音でぶつからない相手に、心を開くことはできない。
ウザがられるかもしれない、傷つきたくはない、でもそう思って自分の思いを語らずにいたら、なにもしていないのと同じ、なのですね。
晴香、気づけてよかったね。
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それにしても、真紅の両眼をもつ男は、なぜこんなことになっているのでしょう??
八雲の推測する2~3年前に、男に何かがあったのだろうか?
すごくすごく気になります。
この先、きっとその謎も明かされると信じつつ…先へ進むことにします。
さあ、7巻への道を急ぎましょう!
- 感想投稿日 : 2020年10月1日
- 読了日 : 2020年9月29日
- 本棚登録日 : 2020年9月29日
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