残像に口紅を (中公文庫 つ 6-14)

著者 :
  • 中央公論新社 (1995年4月18日発売)
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本棚登録 : 11441
感想 : 723
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マンガ「幽遊白書」で、私がいちばん好きな戦闘…それは、蔵馬と海藤の言葉によるバトルです。
確か1分につき、使えるひらがなが1文字ずつ消えていくなかでの戦いで、言葉遊びがすごく面白かったのです。

その元ネタになった小説がこちらの「口紅に残像を」だと知り、読んでみました。

なんとも実験的な小説で、ストーリーはかなり無理がありますが、それでも、だんだん少なくなる文字数で、ここまで書けるんだ…とおどろきました。
特に、主人公の情事シーンが圧巻…
たとえの応酬ばかりなのに、それがかえってものすごく色っぽくなっていて、もう降参!という感じでした。

ストーリーを求めたい人には向いていませんが、言葉と表現と小説の限界をみたい方は、一度その世界をのぞいてみてもよいかもしれません。
ただし、後半にいけばいくほど辞書は必須です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2019年12月13日
読了日 : 2019年12月13日
本棚登録日 : 2019年12月13日

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