アイネクライネナハトムジーク

著者 :
  • 幻冬舎 (2014年9月26日発売)
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感想 : 935
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つながりのある6編の短編集です。

最後の短編「ナハトムジーク」は
書き下ろしですが、
他の5編の初出は媒体も、書かれた年も
バラバラ。

なのに
さり気なくつながっていて、
読みながらそのつながりに気づけたときは
気持ちがふわっとします。

「年齢を重ねても人生は変わらない。
経験を重ねるからこそ人は変わる」
(202ページ)
という文にドキッとしました。

わたしはまさに、
経験ではなく年齢だけ
重ねてきてしまったなあ…と
しみじみ思いました。

伊坂幸太郎さんの著書を読むのは
アンソロジーをのぞけば2作目ですが、
あとがきで著者自身も言及しているように
本作は
伊坂幸太郎さんの作品にしては珍しく、
恐ろしさや奇妙さのある設定が
ほとんどない作品だそうです。

伊坂幸太郎さんのお話は
まだ読んだことがないけれど
怖い展開はニガテ…という方にも、
胸をはってオススメできる短編集です。

「フーガはユーガ」と違い、
こちらはうつ療養中でも
安心して読めますので大丈夫です。

ちなみに
アイネクライネナハトムジークの
意味は作中でちゃんと説明されています。

有名なモーツァルトの曲でもありますが、 
今回あらためて曲を聞いてみたところ、

明るいワルツな感じで
全然「アイネクライネナハトムジーク「」
という感じがなかったので
びっくりしました。

でも
曲自体があたたかく
上品に明るい感じだったので、
BGMに流しながら本作を読んでみると、

本からも曲からも
あったかい気持ちをもらえると思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2020年1月6日
読了日 : 2020年1月6日
本棚登録日 : 2020年1月3日

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