チーズはどこへ消えた?

  • 扶桑社 (2000年11月27日発売)
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学生のときと、働き始めてからでは、物語の響き方がだいぶ違った1冊。

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2匹のネズミ、スニッフとスカリー、2人の小人、ヘムとホーは、迷路のなかに生きている。

2匹と2人はある日、チーズ・ステーションCで好みのチーズを見つけた。
次の日から2匹と2人は、来る日も来る日もステーションCにしか行かなくなり、他のチーズを探すことをやめてしまった。

ところがある日、チーズはこつ然と姿を消した(ように見えた)。

その事実を目の前にして、スニッフとスカリー、ヘムとホーの選んだ生き方とは…?

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この本が出版された頃、わたしはまだ学生でした。
話題の本、ということで、開いてみた記憶はあるのですが、なんだか物語が抽象的に思えて全然おもしろく感じず、途中で読むのをやめてしまいました。
ですが学生を卒業し、自分で自分の使う分のお金を稼いで生きる経験を経てから読むこの本は、なかなか見え方が違ってきて、おもしろかったです。

「人は考え方を変えると、行動が変わるのだ。」(59ページ)

この文章はとても印象的ですが、考え方を変えることに固執しすぎると、結局動けなくなることもあるということも、また事実です。
卵が先か鶏が先かではありませんが、とりあえずいつもと違う行動をしてみることで見え方が変わり、考え方が変わることもあるので、行き詰まったときは、行動と考え方のうち、どちらか変えやすい方をやってみるといいのかなと思いました。

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コロナ禍において、過去の世界の良さを懐かしむ日々かもしれませんが、チーズはなくなってしまったのですから、仕方がありません。
元の世界に戻ることを祈るのではなく、自分の考え方や行動をかえて、新しいチーズを見つけるほうが、恐怖や不安を手放し生き生きと生きられるのではないかなと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 生きること、死ぬこと
感想投稿日 : 2021年8月15日
読了日 : 2021年8月14日
本棚登録日 : 2021年8月9日

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