躍動する中世 (全集 日本の歴史 5)

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  • 小学館 (2008年4月26日発売)
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感想 : 7
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五味先生の中世史総括本。政治の仕組みとしての談合の役割、特に評定から寄り合いへの政治の型の変化を見ていると、昨日までの民主党内閣の成立を見ているよう。それでも、自民党のように官僚制度の外側でインナー(談合仲間程度の意味です)を形成し、党・政府分離型の意思決定をした自民党に対し、(小沢氏を除いて)内閣内にほぼ一元的なインナーを形成することに成功した民主党。まるで今回の政権交代が、院政の行き詰まりと鎌倉幕府による政権転覆による解決を見えてくるから不思議なものだ。
ただ、やはり新しい視点に注目した本である以上、通史的なものと共に読む本、といった感じもある。早く「京・鎌倉の王権」を読むべきか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 中世史
感想投稿日 : 2009年9月15日
読了日 : 2009年9月15日
本棚登録日 : 2009年9月15日

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