モンテ・クリスト伯 7 (岩波文庫 赤 533-7)

  • 岩波書店 (1957年1月25日発売)
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本棚登録 : 1012
感想 : 99
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モンテ・クリスト伯爵の復讐が終わった。ただ、ダングラールへの復讐の方法が他の二人に比べて甘くないか?おそらく、この人は痛い目に会っても全然反省しないで、翌日からケロっとまた金だけが生き甲斐の俗っぽい暮らしを繰り返すんじゃないのか?
それにしても、ダングラール家は男爵も夫人も娘も、揃いも揃って低俗でしたたか。この人達はいかなる環境でもするっと蛇のように生き抜いていくのだろう。それはそれで天晴れだ。

反対にヴィルフォールへの復讐は最も過酷だ。他の二人が嫉妬から来る単なる嫌がらせなのに対して、彼自身はダンテスに何の恨みもなく、立場上最も罪が重いのは間違いない。にも関わらず気の毒に思えてしまう。

勧善懲悪である意味出来すぎで突っ込みどころ満載ではあったけど、キャラクターがなかなかいい味を出していて、ストーリー展開も波乱に満ちていて一大絵巻物として楽しめた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: フランスの小説
感想投稿日 : 2018年8月23日
読了日 : 2018年8月23日
本棚登録日 : 2018年8月23日

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