このお話は、読んだ人の年齢や今置かれている立場によって
感じたことや想ったことが、みんなそれぞれどこか似ているようでも
実はみんな違う...読み終えてからしばらく心に残る余韻は
読んだ人の分だけあるような気がしました。
それはたぶん...(もしかしたら私だけなのかもしれませんが..)
ここに登場する三人の少年たちのひと夏の経験を、同じ年ごろだった自分とを重ねて
自分にとっての一番身近なお年寄りである、祖父母のことを思い出して懐かしんだり
その頃の友達のことや、学校生活、夏のプール、サッカー合宿
そして怖い話なんかにも、ふっとどこかに自分を重ねて回想してみたりする
そんな想いを呼び起こしてくれたお話だったと感じたからです。
その頃の私は祖母と一緒に暮らしていました。
祖母は明治の生まれで、日本髪を結い上げたり、日本初期の
パーマネントの機械も備えている髪結いさん(美容師)でした。
立ち仕事だったからなのか足腰がとても丈夫で、何をするにも大抵は
自分の足でどこまでもしゃんしゃん歩いて事こなしていた人だったので
私が物心つく頃から皺くちゃで細くて小っちゃくて、華奢なおばあちゃんなのに
何年たっても変わらない...ように見えていたおばあちゃんでした。
だからあの頃"死ぬ"なんてこと、考えてもみなかった..。
誕生日や敬老の日に贈る"長生きしてね"のメッセージでさえも
お体裁のように書き添えていただけだったかも...と思ったくらいです。
けれども、息が止まると死ぬとか、しゃっくりが百回止まらなかっから
死んじゃうよ! とか、(←作中にはないです)そんなことは
あぁ..あったあったあったよね~...と思い出して。(笑)
子供ながらに怖がったりふざけあったりしていたことが
とても懐かしく思い出されました。
三人の少年たちにとってこの夏休みの出来事は
少しだけ胸に痛むものもあっただろうけれど(動機)
ほかの友達には出来ない事がやれているような
ちょっと自慢もしてみたくなる大冒険だったことでしょう。
そしてそこでは人と触れ合うことの優しさや寂しさも味わって...
この先十年二十年三十年経って、あの少年たちもいつの日か
このひと夏の経験を思い返すようなことがあったなら、
どんなふうに懐かしく思い出すのかなぁ...と想像してみたりして。^^
"だってオレたち、あの世に知り合いがいるんだ。
それってすごい心強くないか! "
なんとも微笑ましい..♪
そっか....それなら怖くないよね...。^^
この一言は、今の私自身にとっても心に響く言葉でした。
コスモスの花咲く風景を目にしたらきっと思い出します。
三人の少年たちとおじいさんと夏の庭。
- 感想投稿日 : 2017年11月23日
- 読了日 : 2017年11月9日
- 本棚登録日 : 2017年11月16日
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