あしながおじさん (新潮文庫)

  • 新潮社 (1954年12月28日発売)
4.01
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本棚登録 : 1920
感想 : 246

小学生の頃に読んで知った「あしながおじさん」。それから数十年
再び出会ったこちらの文庫版「あしながおじさん」には、装幀のイラストに
心くすぐられてしまい、ならばこの機会に再読して、更にまだ読んでなかった
続編も続けて読んで、本棚にはぜひともこの2冊を並べたいと思って読みました。

小学生の頃に読んでいたときのうきうきとした幸せいっぱいな気持ちと
大人になって読んで感じた気持ちには少し違うものがありました。

これが...悲しいお話ではないはずなのになぜか泣けて...。
ジュディはとっても明るくて前向きで元気で、若さにあふれていて成績もよく
まじめで友人関係も良好で、楽しく有意義に過ごす学園生活の毎日を
まるで日記でも書くように熱心に書き綴っているその手紙からは
一途な少女の気持ちが文面いっぱいにあふれ出ていて、胸がきゅうっと
締め付けられて、ジュディがそばにいたならぎゅっと抱きしめたくなりました。

だけどこんなに明るく振る舞うジュディでも、時には寂しく思うことがあったり
甘えたい時だってある。そんなとき、決して届くことのないおじ様からの
お返事を待ち焦がれるジュディを想うと思わず涙がぽろり...。切なくなりました。
あれだけ熱心に手紙を書いているのにそのお返事がないなんて
私ならきっと気がどうかしちゃう..。(笑)手紙のお返事はやっぱりほしいもの..。
そもそもジュディの書いた手紙は学費融資をして頂いていることへのお返事
(お礼)なのだから、おじ様からのお返事はなくて当然なのだけど...でも....
お返事はないものと割り切っていながらも、おじ様から何かしらのアプローチが
あることを願っているジュディの心の内が手紙の文面に垣間見えるとなんとも
愛おしくて。それでもひたすら熱心に手紙を書き綴るジュディの一途な健気さに
胸が熱くなってしまったのでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年3月17日
読了日 : 2018年2月8日
本棚登録日 : 2018年3月10日

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コメント 2件

nejidonさんのコメント
2018/03/18

yumiieさん,こんにちは♪
この作品は大人になってからの方がぐっと来ますよね。
私は岩波の文庫で読んだのですが、子供の頃よりはるかに感動しました。
(表紙はこちらの方が素敵です)
というか、子供の頃はあまり本のテーマそのものが分かっていなかったような・・笑
すごーい、玉の輿に乗った話だ!という程度でしたよ。
ジュディは、光り輝くものをたくさん抱えている子だったのですよね。
それが、今も昔も女の子たちの心をつかんでやまないのだと思います。
yumiieさんの心優しいレビューに、何だかすっかり癒されました。

yumiieさんのコメント
2018/03/18

nejidonさん、こんばんは~♪
いつもありがとうございます。^^
私もnejidonさんとおんなじように、子供の頃はジュディの明るさに気分がうきうきして
最後にあしながおじさんの正体がわかったのと同時にめでたしめでたしで
あ~よかった~♪という記憶が残っているだけでした。
これがおとな目線で読むと、少し違うんですね。ジュディの人柄や
あの年ごろの女の子があこがれたり求めたりするものや、悩みや寂しさや
それにそもそもの境遇の事とか、いろいろ深いところを想像したりして...。
おじ様からのお返事など来ないのに、この子ったらなんてこんなに一生懸命なの!..って
想ったら、いとおしくてたまらなくなっちゃいました。
児童書や童話やきっと絵本も、子供の心で受ける感情と、大人が感じるものとには
ちがった趣があるものですね。赤毛のアンもそうでした。
.....ということで、実は最近ちょっと児童書に目覚めたりしています。^^
絵本も模索中です。nejidonさんとお友達になって頂けたおかげでもあります♪
嬉しいコメントありがとうございました♪

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