小学生の頃に読んで知った「あしながおじさん」。それから数十年
再び出会ったこちらの文庫版「あしながおじさん」には、装幀のイラストに
心くすぐられてしまい、ならばこの機会に再読して、更にまだ読んでなかった
続編も続けて読んで、本棚にはぜひともこの2冊を並べたいと思って読みました。
小学生の頃に読んでいたときのうきうきとした幸せいっぱいな気持ちと
大人になって読んで感じた気持ちには少し違うものがありました。
これが...悲しいお話ではないはずなのになぜか泣けて...。
ジュディはとっても明るくて前向きで元気で、若さにあふれていて成績もよく
まじめで友人関係も良好で、楽しく有意義に過ごす学園生活の毎日を
まるで日記でも書くように熱心に書き綴っているその手紙からは
一途な少女の気持ちが文面いっぱいにあふれ出ていて、胸がきゅうっと
締め付けられて、ジュディがそばにいたならぎゅっと抱きしめたくなりました。
だけどこんなに明るく振る舞うジュディでも、時には寂しく思うことがあったり
甘えたい時だってある。そんなとき、決して届くことのないおじ様からの
お返事を待ち焦がれるジュディを想うと思わず涙がぽろり...。切なくなりました。
あれだけ熱心に手紙を書いているのにそのお返事がないなんて
私ならきっと気がどうかしちゃう..。(笑)手紙のお返事はやっぱりほしいもの..。
そもそもジュディの書いた手紙は学費融資をして頂いていることへのお返事
(お礼)なのだから、おじ様からのお返事はなくて当然なのだけど...でも....
お返事はないものと割り切っていながらも、おじ様から何かしらのアプローチが
あることを願っているジュディの心の内が手紙の文面に垣間見えるとなんとも
愛おしくて。それでもひたすら熱心に手紙を書き綴るジュディの一途な健気さに
胸が熱くなってしまったのでした。
- 感想投稿日 : 2018年3月17日
- 読了日 : 2018年2月8日
- 本棚登録日 : 2018年3月10日
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