偽恋愛小説家

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2014年6月20日発売)
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本棚登録 : 499
感想 : 66
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「第一回晴雲ラブンガク大賞」を受賞して、華々しく文壇にデビューした恋愛小説家・夢宮宇多。その勢いを買われてか、恋愛小説のようにロマンティックな体験談を持つ女性を実際に訪ねて話を聞く、というネットテレビ番組のホスト役の仕事が入ってくる。担当編集・井上月子の説得で仕事を受けることとなったのだが、そこで出会った女性はまさに現代のシンデレラのようなエピソードをもつ女性であった。しかし、夢宮宇多は話を聞くうちにエピソードの隠された真実に気付いていく。
その一方で、夢宮宇多の受賞作は亡くなった彼の幼馴染みが書いたのではないか、という疑惑が浮上し、物語は意外な展開を見せるが……。

イケメンどS恋愛小説家と新人編集者・月子のドタバタブラックミステリー。シンデレラ、眠れる森の美女、人魚姫、美女と野獣の物語を絡めた連作短編集。ノリは黒猫シリーズと一緒。絡め方とかブラックなオチとかわりと丁寧で面白いし、先生のキャラも好きなんだけど、どうしても月子が好きになれなくてつらかった。下衆の勘繰りが過ぎる気がして、思い込みも強いし、猪突猛進だし編集者としてどうなの?と思ってしまって……。もうちょい地道に関係を重ねてラストにたどり着いてほしかったかな。黒猫より題材が親しみやすくて解体も面白いから、続編は楽しみだけれど……。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2014年12月2日
読了日 : 2014年12月2日
本棚登録日 : 2014年11月9日

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