ブクログ献本企画でいただきました。
「人工光合成」という言葉に何のイメージもわかなかったズブの素人ですが、
植物の光合成のように、大気中の二酸化炭素と水に太陽光を当てて酸素と炭水化物ができたら、環境問題とエネルギー問題を一気に解決する、それは確かに「夢の新エネルギー」ですよね!とワクワクしながら読み始めました。
高校で生物を選択せず、人工光合成どころか植物の光合成の仕組みも覚束なくて挫折しそうになりながらもなんとか読了しました。
私が思っていたのと違って、植物が出す酸素は二酸化炭素由来ではなくて水から電子を引き抜いて出来たものであること。
植物の中には太陽光というとても弱いエネルギーをうまく集めて水から電子を引き抜く複雑で良く出来た仕組みがあること。(光アンテナ)
上記の複雑さ故に、人工でその仕組をそのまま真似するのは大変難しいこと。(光子束密度問題)
人工光合成へは3つの技術的アプローチがある。
生物学的アプローチーーバイオテクノロジーで改良したシアノバクテリアを利用する
色素分子・金属錯体触媒によるアプローチーー植物の光アンテナをお手本にする
半導体触媒によるアプローチーーこれ難しくてあまり理解出来てないのですが、どうも一番有望らしい
個人的には終章の「人工光合成の展開における重要な視点」がとても素敵で、私のように難しくてよくわからない人もここだけは読むことをおすすめします。
人工光合成の実用化は2050年を目標年と定めているそうなので、長生きしてぜひ見届けてみたいと思いました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
サイエンス
- 感想投稿日 : 2016年9月15日
- 読了日 : 2016年9月15日
- 本棚登録日 : 2016年8月31日
みんなの感想をみる