今回の読書会でお借りしてきた本その2。
タイトルは知っていたけど未読だったこちら。何となく老年の元教師と妙齢の教え子の心温まる交流の話だと勝手に思っていた。
5章目(?)のキノコ狩りその2ぐらいまではまあまあその印象であってるな、と思ってたんだけど、9章目の花見ぐらいでわずかずつではあるけれど、私にとっては思いがけない展開へ進みはじめる。
これは賛否分かれるところじゃないかなー。少なくとも私はこのあたりから違和感を覚えて、最終章の手前までどことなく残念な気分で読んでいた。
それはそこまでの2人の関係性がとても素敵だったので。
ただ最後の最後はそうなるだろうとわかっていたけどやはり泣いちゃったな。
たぶん主人公のツキ子さん以上に喪失感が凄かった。
それまでの、丁寧に少しずつ関係性を進めるエピソードの積み重ねがめちゃくちゃ効いていると思う。
読み終えて、やはり細かな違和感は拭えないけど、繊細な物語の運びはやはり秀逸。登場する食べ物がなんだかやたらと美味しそうで、汽車土瓶、卸金や内田百閒など小道具(?)の散りばめかたも粋だなあと思った。
正直ちょっとファンタジー入ってるなあ、とか、読者への迎合?と穿った感じ方もしてしまったんだけど(たぶんこれは単純に私の性格が悪い)
1章ずつゆっくり読むのがこの数日とても楽しかった。
結末を知った状態でもう一度読み返してみると、また印象は変わりそうな気がする。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年12月2日
- 読了日 : 2022年12月2日
- 本棚登録日 : 2022年12月2日
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