桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2012年4月20日発売)
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本棚登録 : 16690
感想 : 1821
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何ともリアル。その一言に尽きる。朝井リョウさん、これ19歳で描かれたのか。すごいな。

中学生の頃から、おすすめ本にノミネートされていたりでタイトルは知っていた。その頃から10年が経ち、朝井リョウさん作品読んでみたいなぁと思いながらBOOK・OFFを歩いていたら再会してしまった。ご縁を感じ読了。

何か大きな出来事が起こるわけではない。規模としてはタイトル通り、部活やめたってよ程度。(4つ目美果の話は少し重めに感じた。)なんだけど、これまでもかというくらい17歳のリアルな心情が描写されている。勉強できるできないに関わらず何故か全員の評価が一致する「上」と「下」というスクールカースト。周りから浮かないように、自分の感情を表せないもどかしい思い。この年齢特有の勝ち組の価値観。
高校はおろか大学も卒業している年齢となった今、高校生の頃振り回されていた価値観は歳を経る度に、世界が広がっていく度に、あの頃特有のものであると分かっている。でもあの頃の自分は確実に今の礎であるし、学校という守られる代わりに逃げ場のないコミュニティの窮屈さも共感できる。懐かしい気持ち。
もちろん今読んでも面白かったんだけど、中高生の頃にも読んでおきたかったな。どう感じ方が変わるのか、体感してみたかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年11月22日
読了日 : 2023年11月22日
本棚登録日 : 2023年11月17日

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