海のアリア (1) (小学館文庫 はA 22)

著者 :
  • 小学館 (2001年8月10日発売)
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本棚登録 : 298
感想 : 26
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ヨットの遭難で海に消えた少年アベルは、記憶も常識も喪失して還ってきます。
彼の体内には、宇宙生命体である楽器ベリンモンが宿り、その楽器を追い求めてエイリアンが現れます。
こんなふうにあらすじを書くと、???がとびかうような突飛な話のようにみえますが、さすが、萩尾望都先生。美しい抒情詩のような仕上がりになっています。でも作品群の中では比較的軽い感じでさらっと読めるほうです。

話はそれますが、この一巻の最後に恩田陸さんがエッセイを書かれています。
その中で、恩田陸さんのあらゆる作品の根っこになっているものが萩尾望都先生の作品だと。「精霊狩り」シリーズが「光の帝国」シリーズへ。「トーマの心臓」が「ネバーランド」へ。「ヴィオリータ」が「ライオンハート」へ。「この娘うります」が「ロミオトモミオは永遠に」へ。びっくりです。でも、私が恩田陸さんの作品に惹かれる理由もわかりました。私も萩尾望都先生の作品の空気がすきなんです。
あの独特の空気、恩田陸さんの作品を萩尾望都先生がマンガにしたものを見てみたいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック
感想投稿日 : 2008年9月11日
読了日 : 2012年3月21日
本棚登録日 : 2008年9月11日

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