雪のひとひら (新潮文庫)

  • 新潮社 (2008年11月27日発売)
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本棚登録 : 1470
感想 : 148

本屋さんでこれから本棚に上ろうという段階のカートで背表紙のタイトルに綺麗なものを感じ、引っ張り出して表紙にひとめぼれ。
雪に女性の一生を託して書かれたというあらすじにまた惹かれて購入。

童話のように慈しみに溢れ、優しく透き通った日本語で訳されている。
物語も山から海に出るまでささやかながらも波瀾万丈。このささやかな部分というのがもはやありきたりではなくなっているのだが、憧憬にも似た思いで見守る。
訳の見事さで忘れていたが、そういえばキリスト教圏の作者だったことを思い出し、神様や奉仕という言葉に納得を覚えた。
訳者によるあとがきに与謝野晶子の詩が用いられていたことが、女の物語をより強く感じさせた。
何か大切なことを思い出させてくれるような一冊。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー
感想投稿日 : 2020年12月5日
読了日 : 2020年12月7日
本棚登録日 : 2020年12月5日

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