遠い山なみの光 (ハヤカワepi文庫 イ 1-2)

  • 早川書房 (2001年9月15日発売)
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本棚登録 : 2142
感想 : 234
3

難しかった。
あとがきを読むことで、何とか消化する事ができた感じ。

会話が主体なのだけど、その会話がお互いの価値観を受け止めない形で絶えず進行していく。
読んでいてえも知れない違和感があり、どことなく水中に淀んでいる汚泥のような空気感が。
浮きもせず、沈みもしない、けど濁っているような雰囲気。
これは、登場人物が根底で相手を見下していて、相手の話を受け止めず、自分の見ている視線で絶えず語っているから起こる違和感だ、とあとがきで細かく解説していて、やっと「なるほど」と腑に落ちた。

そう言われてから振り返ると、すごく緻密に組まれている作品だって思うけど、読んでる間は全然楽しくなかったのが玉に瑕。
こんな不思議な空気感を作れるのはすげぇと思ったけど。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本人作家
感想投稿日 : 2016年3月21日
読了日 : 2016年3月20日
本棚登録日 : 2016年3月21日

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