他の作品集に比べたら、比較的文字量の多い、詩的であり文学的な1冊のように感じました。つまり何がいいたいかというと、丸尾先生の漫画の中でも、かなり好きな1冊だということです。
不勉強ながら、私が分かるだけでも、パースペクティブキッド、バタイユの眼球譚、太陽肛門、ねじ式、乱歩の芋虫、ドグラ・マグラ、等々を彷彿とさせる作品群や、ランボーの詩の題名やフランス映画のタイトルを意図的に使った作品があります。これらを見せびらかすわけでもなく、あえてひっそりと違和感なく作品の中に落とし込んで、散りばめさせている丸尾先生の漫画が、やっぱりいいよなあ。と思います。本作は特にその寓意的な要素が強かったため、めちゃめちゃ面白かったのでした。
『ウンコスープの作り方』『地獄の一季節』『美しい日々』『月食病院』は中でも別格の素晴らしさです。
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- 感想投稿日 : 2022年5月20日
- 読了日 : 2022年5月20日
- 本棚登録日 : 2021年8月13日
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