金魚奏 (花とゆめCOMICS)

著者 :
  • 白泉社 (2006年9月5日発売)
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本棚登録 : 494
感想 : 63
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【支部通信第28号(2009年11月)より】
今回は久しぶりにマンガの紹介です。しかも、普通の少女マンガで、見た目も中身もちょっと可愛い、普通っぽいラブストーリー。なんですが、ヒロインの恋する相手がなんと中途失聴の大学生です。10歳ごろに徐々に音を失い、そのとき出会った和太鼓にハマって和太鼓奏者に。もともと無口で、今は親しい人以外には自分から離しかけようとせず、発話リハビリを受けているが会話の多くは後から学んだ手話…という、結構リアリティのある設定なのですが、それを取り巻く友人や弟が「普通に、あったかい」。また、「口元を手で隠すから」「暗いから」「泣いているから」読話ができない、とか「夜は携帯画面を使って“筆談”する」といったシーンも、さりげなく細かく
描かれています。
作者さんが、これを描き始めた当初現役大学生だったそうで、学内でのノートテイカーの様子や手話サークルの様子なども描かれています。ヒロインも、彼を追いかけて同じ大学に入り、彼のためにノートテイクをするのですが、悩みがあって上の空で書いているとき、「大丈夫?いつも以上に意味不明だけど」と言われてしまうあたりは、要約筆記者には「うっ」と来てしまいます(^^;
少女マンガでもまあ、読んでみようかな?という方はぜひどうぞ。一般書店で手に入ります。

〔金魚奏①・②(ふじつか雪・著) 白泉社花とゆめコミックス 各巻 ¥410〕

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マンガ
感想投稿日 : 2009年12月17日
読了日 : 2009年11月3日
本棚登録日 : 2009年11月3日

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