狂気がここにあると思えるなら大丈夫だ。本当の狂気は何が正気で何が狂気なのか、その境界線が消失してしまう状態を指すのだから。「この映画の主題は?」を問われてコッポラ監督自身が「撮影しているうちにわからなくなってきた」と答えたというエピソードには誰もがずっこけずにはいられないが、それもまた狂気の一過程と考えれば趣深い。銃撃と爆薬まみれの前半部分と神話的象徴と生首まみれの後半はまるで別の映画のように見えて、その実大した違いはないのだろう。「黙示録なう」な原題は、今もそれが現実と地続きであることを指し示している。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
洋画
- 感想投稿日 : 2015年3月18日
- 読了日 : 2015年3月18日
- 本棚登録日 : 2015年3月18日
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