「信と不信」の狭間で揺れ動くガラシャの描写がとても好きです。「信と不信」はこの物語の核でもあり、光秀、忠興、キリスト教、そして最後に自己を信じるか否か、その心理描写が内省的でありながら軽やかな筆致でつづられています。
「見つめることは傷つくこと」、「互いに愛し合っていた故に別の世界にいることを確かめあってしまう」など、何度読んでも心に刺さる文章が多いのも特徴です。
忠興との関係もどちらかが一方通行なのではなく、理解しあい、尊重したいと思うたびに相手と自分の幸せは違うのだと痛感してしまうとがとても苦しい。愛し合っていても幸せになれないところが細川夫婦の描写としてとても素晴らしいなと思います。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
細川家
- 感想投稿日 : 2019年7月19日
- 読了日 : 2014年9月18日
- 本棚登録日 : 2014年9月18日
みんなの感想をみる