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- Amazon.co.jp ・洋書 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9780099553939
感想・レビュー・書評
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原題『寡黙な死骸 みだらな弔い』、読んだことがありますがご多分に漏れず忘れとる、、、
まぁそれは良いとしてなかなかの連作。死に囚われたことでどこか歯車の狂ってしまった人々の行き場のない彷徨が、各作品で繋がっているようでいて別の話のように展開される。この作家はやはり死を主題としてるんだろうな。果物と野菜が効果的、鮮やかな色、漂う匂い(いつか臭いに変わる)。
ところで英語で読んでいて感じたことが。よく言われることですが、例えば英語であれば”I”しかない(?)ところ、日本語では"私""俺""僕""あたい"など、男女の違いを、あるいは精神的な成長度などを一言で表現することができることを。つまり一人称の表現が豊かな訳ですが、日本の風土における所謂客観性の乏しさとも連関しているようで、改めての発見でしたわ。
まぁそれも一つのお話で女と男を取り違えて読んでいたことが原作をパラパラめくって気付いたというお粗末な話に端を発している訳でありますが。
ただ吠えさせてもらうなら、当方の読み方の方がより小川洋子らしい設定だった気がする。同性愛的な匂いと死の匂いというのは、「普通の」世界から見た時にはある種の共振性を有しているからこそ、当方の誤読の方が適当だったと思うんですけど是如何。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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