Life of Pi: A Novel (Man Booker Prize)
- Mariner Books (2002年6月4日発売)
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感想 : 1件
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- Amazon.co.jp ・洋書 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9780151008117
感想・レビュー・書評
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この作品で一番すばらしいのは第97章である。
はっきり言って、最後の40ページ、この章を除いてすべていらん。やっと陸地にたどり着いて保護された14歳の少年vs運輸省の官僚ふたり。1970年代後半。病室での会話の録音からおこしたという設定で綴られる最後の4章。
すべてうっとうしい蛇足でしかない。それまでの物語がすばらしかっただけに、興醒めの落胆も激しくならざるを得ない。
でもこの作品が文学賞をとったのは、第99章にでてくる、現実と記憶と物語についてのパイの考察のあたりのためなんだろうなぁ、多分。
「日本語から訳した」ことにされている会話がひどくて目も当てられない。呼称の使い分けとかありえない上に雑なのが癇に障る。このあたり、邦訳では手直しされているのだろうか。
しかし、出航以前のインドでの生活を描いているあたりも、もしかしたら、インドを実際に知っている人々やそこで生まれ育った人が読んだら、同じくらい(あるいはもっと)つっこみどころばかりなのかもしれないな。
結局は(白人作家による白人読者の為の)創作に便利な「装置」としてのインドであり日本人官僚でしかないということか。
出版されたのは10年以上前。そういえば当時の同僚で読書好きの人におもしろいからと薦められたことを思い出した。
映画はどういう結末になってるんだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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