Macroeconomics: A European Perspective with MyEconLab access card

著者 : OlivierBlanchard FrancescoGiavazzi AlessiaAmighini OlivierBlanchard

• Pearson Education Limited (2011年6月30日発売)

感想・レビュー・書評

[ちくいさんの感想 · 2012年4月14日]

著者は米MITの著名経済学者で、現在IMFのチーフエコノミストの要職にあるフランス人。本書は初・中級レベルの定評あるテキストの内容を、特に欧州の実情と照らし合わせて追加して（二人の共著者と）解説しています。債務問題が深刻化する前にまとめられているという限界はありますが、多様な欧州の状況に適したモデルの考察や分析は参考になります。
個人的に振り返れば、Blanchard教授の著書や論文、Blogなど、債務危機で大きく揺れたここ数年、もっとも多く参照してきたように思います。理論の枠組みはそれほどバリエーションはないでしょうが、多様な歴史も背景に、政策や実証については米国とは違うこともあるだろう、というのはわが国の場合からも容易に想像がつくことでしょう。欧州のケースを取り扱っているテキストはなかなか見つけられなかっただけに、本書は貴重な一冊だと思います。