guineasquashさんの感想
2012年10月2日
ロイス・ローリーの「ギバー3部作」の内2作目にあたる本書。 1作目の「ザ・ギバー」と同様に、自由を奪われた人々の心理と状態を描いた。また、世界観も特有で「ザ・ギバー」と共通的な設定が見られた。 主人公は母は病で死に、父は<野獣>たちに捕らわれ死んだ(と思われている)状態。また、足が生まれつき片方不自由で、うまく不自由性を体現した人物だ。 主人公が住む村は<野獣>の棲む<森>に囲まれ、決して外部へ行けない。 これも村を閉塞的にするうえで重要な設定だ。 しかも、ネタバレ的にすると、<野獣>は存在しないものなのだ。ただ、支配者(理事会)が生み出した概念を愚なる住民たちが盲信した存在だ。 それが住民たち、村自体を束縛するということが作者の伝えたいメッセージへの手掛かりとなるだろう。 最近のエンターテインメント小説とは違い、文学的要素も含まれていて、読んでいて「美しい」と思えた。 ★★★★★ ぜひ、英語が読めるならば「ザ・ギバー3部作」を読んでほしい。
kyonteseさんの感想
2011年8月2日
As the other works of Lois Lowry, it unfolds the world of great fantasy, yet so real... I couldn't stop reading it. Kira's calm and brave decision is worth admiring.