The Lost Symbol (Robert Langdon)
- Transworld Publ. Ltd UK (2010年7月22日発売)
- Amazon.co.jp ・洋書 (672ページ)
- / ISBN・EAN: 9780552161237
感想・レビュー・書評
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【概略】
フリーメイソン最高幹部の一人ピーター・ソロモンから連絡を受けたロバート・ラングドン、その内容は、基調講演の依頼と何年も前に預けた品の持参というリクエストだった。その品というのは封印された箱。ラングドンは品をもって講演先に向かう。実はラングドンへの連絡には既に罠が仕掛けられており、封印された箱を中心に、フリーメイソンの枠を超越した国家レベルの秘密の漏洩問題に発展する。世界最大規模の秘密結社を下敷きに、ダン・ブラウンにより描かれるサスペンス。
年月日不詳 読了
2022年10月26日 読了
【書評】
「人間賛歌」というキーワードが頭に浮かんだ状態でエンディングを迎えたね。ダン・ブラウンの本は読者の知識量・教養の深さによって本への没頭具合が大きく変わってくる。そして常々、思う、聖書に慣れ親しんでおくことと、ラテン語の習得ということを(笑)後者はなかなかに難しいかもだけど、前者は日本語訳からでも入っていくべきだね。積ん読状態にある中に一冊、聖書にまつわる書籍があるから早めに手に取っておかねば。
さて、本編そのものへの感想なのだけども。ロバート・ラングドンのシリーズは全部読んでる。なんだろう、以前に読んだ時は確実に今よりも低い英語力なのだけど、その時の方がドキドキ感は強かった印象がある。この「ロスト・シンボル」を境に、ちょっと辛くなるのだよね。「インフェルノ」「オリジン」が。そしてこの辛さを、この「ロスト・シンボル」でも感じてしまった。
なんだろう、この辛さは。後半になると俄然リズム感が良くなって、ヒリヒリする空気感に満たされるのだけど、前半がどうもノッペリとした印象なのだよね。英語力の問題ではないはずだ。読者の力量不足なのか。
後半、というよりも最後の部分、何を大事にしてきたのか?という部分については、前回読んだ時よりも、より深いところで腑に落ちた感、ある。つまるところ、どのルート(色々な宗教や哲学)から進んだとしても、精神性のところに辿り着くのだよね。肉体は容器というか。昨今の技術の進歩と仮想空間との距離感の変化で、この容器という考えはより現実のものとなってきてる。ただその先、全方位に膨張する人口について、人類は克服できるのか?なんてところまで想いを馳せてしまったよ。
前半で疲れちゃうダン・ブラウン、次にまた読む時が来たら、最初から楽しめるような、そんな読者でありたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大好きなラングドンシリーズは今回も期待を裏切らず。ワシントンに行きたくなりました。
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これで、ダン・ブラウン氏の本は英語で5冊読んだことになったが、フリー・メイソンに関しては、予想に反して、サラリとしているような気がした。メインのストーリが、ロストシンボルではなく、ロストチャイルドになってしまっていて、大金持ちの一家が、不幸過ぎているような気がした。でも、21世紀の人類に、少しでも希望を与えてくれる良い本のように思った。