Plan of Attack

著者 :
  • Simon & Schuster
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780743255486

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  • ブッシュ政権がイラク戦に突入するまでの意思決定の過程を非常に詳細にレポートしている。自由に関して押し付けがましい信念を持つエバンゲリストと、基本的には自己保身が第一で耳に痛い専門家の意見を聞かない、戦争と占領に関して計画能力に欠ける側近たちがタッグを組んだらこういう結果になったということが、具体的に良く分かる。それにしても、どうやってこれだけの情報を集めたのか驚嘆。個人的な興味では流行語大賞‘axis of evil’(state of the union address before the joint session of the Congress)の作られ方とスピーチ後の周囲の反応に注目。pp.85-95.メモ It served a dual purpose for Bush. On one hand, it sounded tough. Since Reagan, no president had so blantaly rattled the sword. On the other hand, the speech blurred the focus by including NK and Iran, providing additional cover for the secret planning for covert action in Iraq, and war. p.95.////////////////////(本と関係ない大意メモ)16世紀の英国における改革運動から発展してきたアメリカのプロテスタントは主だったもので原理主義とリベラル、そして原理主義と同根の福音主義がある。19世紀のほとんどを、大部分のプロテスタントたちは科学が聖書の教えを裏付けるものと信じていたが、ダーウィンの登場でプロテスタント運動は分裂し、中でもモダニストは新しい研究成果をキリスト教理論に組み込んだが、原理主義者たちは教会は原理的なプロテスタント信仰に忠実であるべきだとした。原理主義の中でも分離派は、本当の信者はいかなる形態のモダニズムであっても、妥協したり寛容であったりする教会は捨てなくてはならないと主張。しかし、neo-evangelical(現在の福音主義)は、世界と持続的なつながりを持つべきだとして原理主義からは離脱、現在に至っている。ただし、リベラル、原理主義、福音主義の違いをあまりにも厳密にしようとすると間違いを犯すだろう。さて原理主義者は1920年〜1930年代の政治的・知的敗北によって、悲観的な世界観を持つようになった。世界を変えるという人類の努力は非常に限定的にしか成功しないとし、国連などに代表されるグローバルな制度に対し敵対的な態度を取るようになった。一方リベラルクリスチャンは、キリストを超自然的な存在としてよりも、道徳の先生として一生を通して奉仕活動などを通じお手本にするものと考えた。そしてキリスト教者と非キリスト教者との区別を重要視せず、倫理は世界中同じだと考え、また、Christian realistを除いては‘原罪’を放棄したので、世界観が比較的楽観的で、従って国連のような国際組織や世界秩序についても積極的な考えを持っている。先の大戦と冷戦期にはリベラルクリスチャンはアメリカの政界に大きく影響力を持っていて、ユダヤ教やローマカソリックとの仲介役のような役割も担っていたが、次第に、世俗的な問題にコミットする機会が増え、また重要なイシューでカソリックやユダヤとは相容れないため、リベラルクリスチャンは、宗派の取りまとめ役のような役割を失いその存在感も弱まっていった。福音主義は‘原罪’と‘終末思想’を信じ、リベラルクリスチャンが良い仕事と道徳的な充足を神への道と解釈したのは裏切りだと考える。福音主義者は救われた人とそうでない人の違いに固執する。原理主義との違いは、原理主義がキリストの犠牲がほんの少数の人の魂を救うためになされたとみなすのに対し、福音主義は、基本的に救いは全ての人に開かれるとしているという点で、従ってすぐにでも全ての魂を救わなければならないと考えている点。進化論と聖書は共存できると考えている点。この福音主義者は1988年〜2003年の間にプロテスタントの中で41%から54%に増え、2004年の選挙ではブッシュに投票した40%が福音主義者だとしている(自己申告)。議会においては1970年〜2004年までに10%から25%に増えている(自己申告)。もともと福音主義者は民族解放運動をフェミニズムとともに支持してきて、アフリカ問題にコミットしてきた。政界での福音主義者の影響が増えることで、アメリカの政策でも人身売買、性的奴隷、HIV対策などが優先されるようになった。福音主義者は大雑把な方針を立て、国家間での支援よりは、草の根的に、限定的な問題につてい行動したがる。リベラルクリスチャンはこういう傾向を反・知的な福音主義文化の伝統であると嘆く。イスラエル問題については、福音主義者は17,8世紀に聖書の予言の詳細な研究の結果、ユダヤ人がキリストの勝利としての復活の前に聖なる土地に戻るのだということを確信するに至った。リベラルクリスチャンもユダヤ人を支持してきたが、それは、他の抑圧された人々を助けたいと考えるのと同じことだった。福音主義者はリベラルクリスチャンよりもアメリカの優秀性を強調したがり、外交政策において道徳の優位に現実主義者よりも関心を払うが、政治の舞台で訓練を積むにつれてより理性的になっていくでしょう。Walter Russel Mead. 'God's Country?'. Foreign Affairs, September/October 2006.http://www.foreignaffairs.org/20060901faessay85504/walter-russell-mead/god-s-country.html

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