- Amazon.co.jp ・洋書 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9780767902892
感想・レビュー・書評
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[2006.10]
ハリーポッターでさえ英語で読めなかった私が初めて最後まで読めた英語の本。(絵本とか除いて。)
戦争がもたらす被害、生と死について考えさせられる本。
日本語訳も出てるので興味のある人は是非。
たくさんの人に読んでもらいたい本です。おすすめ。 -
高校の授業で読まされました。でも凄く胸打たれる一作です。ベトナム戦争がどのように人々を変えていったかという物語が多数絡み合い、人間の醜い部分や弱い特徴を捉えたTim O'Brien氏のリアル・フィクションです。
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「本当の戦争の話をしよう」というタイトルで最近翻訳もされた本である。戦争、そして歴史といったものの意味を考える上で大切なメッセージを内包している。
教科書に書かれた「歴史」とは、あくまでも上からの視点で書かれた一元的なものにすぎない。そこには、兵士たちからの視点、つまり下からの視点が欠落している。しかもそのような教科書の歴史は、いかにもそれが客観的であるかのように描かれている。本当は権力者の主観やナショナルヒストリーに傾斜しているにも拘わらず、である。ベトナム戦争を兵士として実際に体験した著者が、そのような「上からの」歴史では語りつくせぬ「歴史」の姿を、恐ろしいほどに鮮明に描き出していく。それは時にはフィクションでもある。けれども、それが「事実」であるか否かはここでは問題ではない。重要なのは、主観的であることを受け入れた上で、人々(ここでは兵士たちなど)が歴史を語り合い、聴き合い、そして共有していくことである。それによって私たちは「癒やし」を得られる、と作者は訴えかける。ではなぜ「癒やさ」れるのか?―その答えは、先ほどの「上からの視点」「下からの視点」の話を考えてみると自ずと見えてくる。「上からの」歴史では、兵士は交換可能な部品のごとく語られ、兵士一人一人の「主観的な」物語は排除される。しかしそれは、やもすれば、兵士一人一人の語りを封じることにより、彼らの人間としての交換不可能性を否定してしまうことにつながる。従って、作者のように自分の身体的な歴史を語っていく行為は、そのまま自分の交換不可能性、つまりは存在意義を確認できるという大きな意味をもつのであり、それが「癒やし」という形で現れるのではないだろうか。 -
真実と幻想の戦争の姿。
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話は、淡々と彼らが持っている物を書くことからはじまる。
「彼ら」がだれなのか?
抱えている物は、「物」だけなのか?
短編で構成されているこの本を読んでいくと、見えてくる出来事に
いつのまにか静かに入り込んでいる。
そういう本。