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- Amazon.co.jp ・洋書 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9781408866139
感想・レビュー・書評
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とてもとても美しい本。見開き左ページにはイタリア語が、右ページには英語訳が印刷されている。
ベンガル語話者の両親を持つ著者ジュンパ・ラヒリは、幼い頃親から強制されたベンガル語にも、またいわば家の外の言語である英語にもなじめず、確固たるアイデンティティを持てないまま生きてきた。
そんな彼女がイタリア語に魅了され、ローマに移住し、イタリア語で本書を書いた。人生ではじめて、みずから選ぶということをした。もちろん、イタリア語もまた彼女にとってもともと縁のなかった外国語ではあるけれど、少なくとも選び取った、この意味は大きい。
決して核心には届かないとわかりながら、どうにか新たな言語と苦闘し、ネイティヴの助けを得ながら意味を紡ぎだそうとするさまが生々しく記録されていて、静かに心を打つ。
著者初の自伝的作品。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ジュンパ・ラㇶリがイタリアに移住したことはどこかで読んだけれど、今ではイタリア語のみで物書きをしているとは初めて知った。イタリア語への愛情がひしひしと伝わってくる、彼女らしいしっとりとしたエッセイでした。
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