Magpie Murders: The Sunday Times bestseller now on BBC iPlayer

著者 :
  • Orion (an Imprint of The Orion Publishing Group Ltd )
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9781409158387

感想・レビュー・書評

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  • 今年の読了一冊目。元々この本を読みたいとずっと思っていたけど、同じ著書の別作品"The Word is Murder"から始まるHawthorne Seriesをなんとなく先に読み始めたらそれがすごく面白くて、去年出版された最新作の3部目を読んでから"Magppie Murders"を読もう…と思っていたら、年内にこっちを読むことが出来ずに新年を迎えてしまった。ということでさっそくこちらを今年読む一冊目として選択。

    どこかでこの作品の構成が『入り子(nesting)』状になっているというのをちらっと目にして、なんとなくわかったような気になっていたけど、しばらく読み始めたらその意味がはっきりした。なるほど、出版社に勤める主人公Susanが担当するWhodunit (推理小説) 作家であるAlan Conwayが書いた小説の世界が、Susanが住む現実の世界にすっぽり収まるようになっていて、その二つの世界でそれぞれ別の探偵役が殺人事件の推理を進行していくということか。構成が斬新で面白いなぁと感心したし、謎解きも複雑で面白い。この本が人気なのは良くわかるけど、正直、現実世界での犯人はなんとなーくコイツだろうなというのは途中からわかってしまって(毎度のことながら、殺人の動機まではわからないんだけど)、もっと犯人の意外性で驚かせて欲しかったというのが本音かも。でも、Alan Conwayの遺作となってしまった"Magpie Murders"内での犯人は最後までわからず、そっちの展開では「おおー、なるほど」と犯人明かしと謎解きを楽しませてもらったし、全体的に一つの作品として充分に面白かった。でも個人的意見としては、"The Word is Murder"を読んだ時に受けた「何これ、面白い!!」という衝撃までは至らず…。"Magpie Murders"で探偵役となっているAtticus Pündの真面目で静かで正統派なキャラクターが、Hawthorne Seriesの癖のある探偵Hawthorneという型破りなキャラクターの面白さと、彼の自分勝手さに翻弄されるAnthony Horowitzとのわちゃわちゃ感に比べると何か物足りないと思ってしまった。これは完全に個人の好みだろうけど。そして、作中ではAlan ConwayがAgatha Christieの大ファンだった、という設定で、Christie作品への言及が多い。もし私が生粋のChristieファンだったのなら、この小説を別の視点からもっと楽しめたかもしれないなぁ、と感じた。世間ではHawthorne Seriesよりも"Magpie Murders"のほうがずっと認知度が高く、評価されているということもあって、すごく期待して読み始めたから、というのもあると思うけど、私的評価としては★4.5といったところかな。でも、やっぱりこの複雑な『入り子』構成の発想は凄いし、それを上手ーく面白く、読者にグイグイ読ませる小説に仕上げられる才能は素晴らしいと思う。ストーリーの終わり方がなんか切なかったけども。続編の"Moonflower Murders"も早く読みたいな。

    それにしても、このタイプの、ストーリーが展開するのがひと昔前に設定されている推理小説で毎回思うことだけど、現在当たり前となっているDNA鑑定やスマートフォンなんかを駆使せず、記憶力と洞察力と頭の回転だけで事件を解決してしまう探偵のカッコ良さよ。自分にこんな頭脳があったらさぞかし楽しいだろうなと思う反面、ぼーっとしていて普段目に入らないような事ならともかく、ましてや周りの人達に対して知らない方がいいような事まで気付いてしまって毎日気分がだだ下がりになるかも知れない…と思うと、のほほんと暮らしていられる自分のままでいいか、なんて思ったりもする。

  • 相続問題や住宅建設による住環境破壊の問題が描かれる。遺産を独り占めする単独相続は不合理である。平等主義に反している。しかも虚偽の報告がなされていたことが明らかになる。

  • 世界大戦のあとのイギリスの小さな村で起こった事故と殺人事件
    探偵が捜査をすすめるほどに村の中にあったちいさなひずみが明らかになって…
    という本格ミステリ
    かと思ったら後半驚きの展開になり、Whodunnitなんだけどいくつもの入れ子構造、ミステリー小説への自虐とも言える皮肉などなんというか新しい。古今のミステリー作家の名前もたくさん出てくるので、好きな人にはたまらないかも。
    さすがベストセラー。かなり厚いけど面白かった。

  • 噂通りおもしろかった。推理小説にこんな在り方もアリなのね。斬新とクラシカルが両立してて絶妙。

  • この本の舞台(現代ロンドン)と劇中劇?が見事に交差して、ページをめくる手が止まらない。pundという架空の探偵の世界に引き込まれて、それが本の中の現実やそのpundを生み出した本人にうまく重なったり重ならなかったり…続編が出たらしいけれど、まだ値段が高くて手が届かない。早く読みたい。

  • 編集者の女性が売れっ子作家の『カササギ殺人事件』の原稿を自宅で読むところから始まるのだけれど、何が面白いってこの作中作が丸ごと収録されていること。そしてこの作中作こそがアガサ・クリスティへのオマージュ作品。舞台はイギリスの田舎の小さな村のお屋敷、動機がありそうな容疑者はほぼ全員、皆何かを隠している様子というお決まりの設定で名探偵が謎を紐解いていく。ただ、編集者が手にしていた原稿は完全なものではなくて、残りの原稿の行方を探すというのがもう一つの謎解き。

    まさにミルフィーユ仕立ての一冊でした。久しぶりにミス・マープルが読みたいな

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