No One Belongs Here More Than You

著者 :
  • Canongate Books
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本棚登録 : 17
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9781847671165

感想・レビュー・書評

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  • Why does everything have to be so "quirky" in this century? あまりにも好評で、映画も意外と好きだったから期待し過ぎたのだろうか。表紙でDave Eggersが褒めているのを見てやめておくべきだった。Dave Eggersの本は一冊読んだことがある。小説ではなくてブログだったら非常に面白いだろうと思った。日本語で「quirky」ってどう言えば伝わるのだろう。日本でも大人気のようだが、翻訳がうまいのだろうか。あるいは、このいかにもアメリカな感じが日本人には新鮮に思えるのだろうか。ただの「2000年代にありがちなquirkyな小説・映画=フィクション全般?」だけに留まらせない要素はあるのは認める。面白くなかったわけではない。でもなんか、みんなこういうトーンやね、最近。という印象も強い。本来は嫌いではないと思うし、むしろ好きかもしれないとも思うけれど、あまりにも多くて飽きた。最近の日本の映画なんかにもあるよね、そういう流れ。そのジャンルの中に限って言うなら確かに結構良いのかもしれない。まあ、とにかく期待し過ぎたのでしょう。和訳も読んで比べてみたい気もするけれど、他の本を優先させることにする。

    *昔から19世紀や20世紀前半、日本の場合は大正文学なんかが好きなので私の好みが古いだけという可能性も充分あるので悪しからず。

  • The stories in the book dislay both hope that continues to linger in onself and the sense of loss no one never ever can flee. The author grasps tiny or fragile moments in our ever-changing mood, and puts them in lines in a very clever and delicate manner.

  • 『This wasn't my problem; I had never been in love with anyone, dead or alive. But this is an example of the type of problem that men like me have, sizable. We are often introduced to people's sisters. Sisters come in all ages; this took me a while to realize.』-『The Sisters』

    こっこれがっ岸本佐知子の次回作か(いやいや翻訳ですよ)。恐らく岸本佐知子好きの(いやいや翻訳好きでしょう)ならば納得の選択だと思うに違いない("These customers became regulars, and these regulars became stalkers" - "Something That Needs Nothing")。多分この短篇集はこの順番のまま出版されるんでしょうね。だってDaily Telegraphが言うように、ここに収められているお話は"swing from laugh-out-loud funny to heart-clenchingly sad"で(しかし上手いこと言いますね)だし、しかもfunny-sadの順番でなければどちらも意味をつかみ損ねてしまうから。

    岸本佐知子が翻訳するということで一風変わった作風なのだろうということは予想していいたけれど、ミランダ・ジュライという人は、ともすれば人が無かったことにしたがるような「気まずさ」を捉えるのがうまい、と思う。そこに人間の本性があることを見逃さない、といってもいい。そういう意味ではニコルソン・ベーカーの「中二階」に通じるところがある。特に冒頭に置かれている『The Shared Patio』はベーカー風だと感じる。

    気まずさをどこまでも引きずって何とか言い訳をしようと妄想に入っていく。あれ、どこかで知っているぞこの感覚、と思ったら岸本佐知子のエッセイの妙にそっくりだ。きっと翻訳も面白くなるだろうなあ、と期待が高まる。

    しかしそういう話ばかりなのかと思って読み進めると、少しずつ、ん?、と思うことが増えてくる。元々アイロニカルなユーモアがあるので、頭の切り替えが中々できないのだけれど、後半に向かってユーモアはペーソスに変化してゆく。アイロニーは心に思っていることと逆のことを敢えてしてしまう反心理的な行動という意味合いを強くする。自分自身さえも騙さなければならない悲劇的状況、というニュアンスが濃くなる。

    言ってみれば、幕の裏に引っ込んだ後のピエロを描くペーソス。ピエロは肩を落として小さな足台に腰を下ろすだろう。煙草を一服しようと口にくわえた途端マネージャに小言を言われるだろう。ようやく小言が済んで再び腰を下ろし、ため息をついたりもするだろう。しかし、顔には白いドーランと、いつでも笑い顔の隈取りが張り付いたまま。そんな悲哀をミランダ・ジュライはするどく描く。そうだ、まさにするどく。人が見たくないと思いつつ目を背けられもしないどろどろとした人間の本性を、容赦なく描く。ああ、翻訳が速く読みたい。

    『Well, I always wear shoes around the house for a few days first. That way I can still return them if they're uncomfortable. That's a great tip. Everyone should do that. People love to make life harder than it has to be. I know I do.』-『Mon Plaisir』

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