田沼意次の時代

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000012744

作品紹介・あらすじ

硬直した幕藩制社会変革への期待が庶民の胸に膨らむとき、意次は登場した。新知識を貪欲に吸収し、鋭敏な財政感覚をもって新しい経済秩序の樹立を目指す彼は、ロシアとの交易を含む革新的な政策を次々に打ち出してゆく。だが、その行手には松平定信率いる保守派のクーデターが待ちうけていた。金権政治家のイメージを払拭し、真の意次像を提示する。著者会心の作。

感想・レビュー・書評

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  • 1991年刊行。

     賄賂・金権政治家として悪名高い田沼意次。
     しかし、彼は、実は重商主義的、開明的で進取の気風に富んでおり、北方探検を推進した気鋭の政治家であった。
     この実像について、田沼の政策と、徳川吉宗・松平定信といった田沼前後の政治家との比較を行いつつ、田沼の虚飾を排したのが本書である。

     個人的には、田沼の実像に触れただけでなく、歴史の検証方法に関して啓蒙された一書である。
     つまり、テーゼに対するアンチテーゼの存在と両者の比較検討の重要性に気づかされたのだ。

     ちなみに、老中就任には為政者への賄賂・付け届けが不可欠とのこと。それは松平定信・水野忠邦しかり。「白き河」というイメージが如何に一面的かをも、併せ見せて行く書である。

  • 戦前 日本歴史の三大悪人 弓削道鏡、足利尊氏、田沼意次 前者2人は皇室に対する姿勢から

    江戸時代の通貨制度 三貨体制 金銀銭
     金 両分朱の4進法による鋳造定量計数貨幣 江戸中心、東国、中部
     銀 秤量貨幣(しょうりょうかへい)京大阪、西国裏日本
     銭 貫文 鋳造定量の計数貨幣

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著者プロフィール

1923-2004年。東京大学文学部国史学科卒業。博士(文学)。学習院大学名誉教授。徳川林政史研究所所長,愛媛県歴史文化博物館館長などを歴任。専攻は近世日本史。著書に『享保改革の経済政策』『近世村落の構造と家制度』『元禄時代』『大岡越前守忠相』『日本近世社会の市場構造』『江戸時代』『田沼意次の時代』『徳川吉宗と江戸の改革』など多数。

「2023年 『天明の浅間山大噴火 日本のポンペイ・鎌原村発掘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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