- Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000022095
作品紹介・あらすじ
保守本流の政治家として経済企画庁長官、外務大臣、官房長官などの要職を歴任、戦後政治の重要局面に幾度も立ち会ってきた元総理の回顧録。生いたちに始まり、サンフランシスコ講和会議への出席、参謀役として活躍した池田内閣の舞台裏、さらに総理大臣として重要課題への対応に追われた時期などをふり返りつつ、将来の日本がめざすべき政治のあり方・理念を語る。また、戦前の日本社会の様子や、政界きっての国際派として交流した各国の要人たちの横顔、外交交渉の舞台裏など、興味深いエピソードも尽きない。
感想・レビュー・書評
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戦後60年に届ける、貴重な証言。元総理が、自らの人生と戦後史を存分に語る。(2005年刊)
・はしがき
・第一話 生いたち
・第二話 戦前・戦中の体験
・第三話 敗戦直後の大蔵省
・第四話 GHQとの交渉
・第五話 講和会議に随行する
・第六話 宏池会の誕生と安保騒動
・第七話 池田内閣時代
・第八話 日米繊維交渉
・第九話 プラザ合意、そしてバブル崩壊へ
・第十話 総理大臣時代
・第十一話 二一世紀の日本を考えるために
・インタヴューを終えて
・宮澤喜一関係年譜
これだけのキャリアを持ちながら、350ページとは足りない。後半は、駆け足であり、その分、無理が出てしまう。池田内閣以後については、政策マターに限った内容となっており、編者によると、これは宮澤氏の主体的選択によるものだと言う。総理時代の出来事などは、まだ語れる状態では無かったのかも知れないが残念なところである。
それにしても、氏には、先を見通す力があるのに、実現出来ないとは皮肉なものである。日米繊維交渉や、バブル崩壊の後の公的資金導入問題など、氏によると、機が熟していなかったためだというが、能力があっても生かせないのは、悲劇的である。本書は、戦後史を知る上で、不完全ながら、読みどころが多くおすすめである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2012/01/07読了。
宮澤喜一の知性の凄さに驚くばかり。お勧め。 -
池田内閣までが詳しく、それ以降はかい摘んで、という感じ。外交関係についての裏側をメインに色々話されており、興味深い。終章は「21世紀の日本」という内容だが、10年ほど前の話であり、今日の状況ではちと楽観的に過ぎる印象。
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抜群に頭の良い、戦後日本の生き証人。将来へのメッセージ、なかなかの慧眼。なるほど、この人が首相になるのも納得出来る。
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戦後日本のターニングポイント
?1960年 安保騒動
戦前回帰的な権力主義政治の終焉
?1985年プラザ合意
高度成長の終焉 -
御厨研のオーラルヒストリープロジェクトの一貫。必読書