- Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000025942
作品紹介・あらすじ
『羊たちの沈黙』のレクター博士には指が六本あった!そんなエピソードにプロのピアニストは立ち止まる。音楽にこだわると、誰もが知っている小説に新しい世界が拡がってくる。クラシックは苦手、という読者も、小説の中で紹介されている音楽を聴きたくなってくる。音楽と文学をむすぶ絶好の読書案内。『図書』好評連載の単行本化。
感想・レビュー・書評
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六本指のゴルトベルク
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ピアニストであり、筆力も相当な人で、今まで知らなかったのが残念に思う。音楽の関わりのあるミステリを紹介するのだが、何といっても面白いのは、癖のある音楽家の生態や、音楽を生業にする本音などを教えてくれること。随分昔、挑戦しようと試みた『ジャン・クリストフ』、これを読まないと音楽の喜びのいくつかを知らないで終わるとまで言う。でもなぁ、もう読む体力はないな。音楽の喜び、奏者と聴衆と楽器やホールに奇跡的に一体化する瞬間の喜び、あぁ、知らないで終わるのだろうな。刺激的で挑発的な本。
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さまざまな純文学やミステリ、映画に登場する音楽人や音楽作品から読み解く読書案内。ピアニスト、音楽人ならではの着目点が楽しい -
中公文庫として発刊されているのだが、なぜか検索でひっかからなかったので、こちらにて。
青柳氏の音楽エッセイもだいぶ読みなれて、知識も少し多くなり、より面白く読めるようになった。ネタが濃いことがわかり、再度所有本を読みたいところ。本書でも多くの小説、映画から楽曲を関連ネタをつなぎ、分析?。なるほどと唸ること多いのは、言葉が良いからだろう。ピアノもそうだろうが、芸術系の説明は難しいためか、ニュアンスが伝わりにくい。先生の言っていることがわからん。しかし、氏の文章は何となくではある場合もあるが、すっと入ってくる(イメージ可能)。これは凄いことと思う。ドビュッシーが専門とのことなので、まさにドビだけに集中した、類書も読みたい(発刊されたようですが)。 -
ピアノ奏者にしてエッセイストの著者による、文面からピアノの音がしそうな書評エッセイ。
好きな要素がいっぱい詰まっていて読んでいて贅沢な気分になる本。 -
音楽(おもにクラシックとジャズ)が登場する小説(ミステリー、現代小説から古典まで)を題材にしたエッセイ.さらりと軽い文章で読みやすい.プロの音楽家にしかかけないことを,プロの随筆家の文章で書けるのだから,うらやましい才能である.ただこのエッセイにはネタバレが結構あって,読む気の起こらない本を取り上げているところはいいが,おもしろそうな本を取り上げている箇所は,用心して読まないようにしないといけない.とすると読みたいところが読めないわけで....
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ピアニスト・文筆家の青柳いずみこさんが、音楽小説や音楽の登場するミステリを紹介。音楽&読書(特にミステリ)好きにはとっても愉しい読書案内。第1章はトマス・ハリス『羊たちの沈黙』。左手が六本指であるハンニバル・レクター博士の愛聴盤=グレン・グールドの『ゴルトベルグ変奏曲』(1981年盤)を切り口に随想はめぐります。僕、この本をきっかけにグレン・グールドを聴き、その特異な才能に瞠目しました♪ 敷居の高そうなクラシック~ジャズ、こんな素敵な入り口から聴いてみるのはいかが?
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クラシックを題材にした小説の評論集。「こんな本が欲しかった!」それをまさに著してくれて歓喜です。この本を読んでから紹介されている本を読むのもよし、また評論を読んでから本を読むのもよし。更なる理解を深めることが出来ます。