- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000025966
作品紹介・あらすじ
なぜ労働組合は嫌われるのか。にもかかわらず、なぜ労働組合こそが必要なのか。民主主義と社会運動のあり方を展望する、「反時代的」な抵抗の書。
感想・レビュー・書評
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労働組合運動をいかに再生できるか。
そのヒントとなるエッセンスが詰め込まれている。
労働組合について多少知っていないと難しい箇所もあったので、
また勉強し直して読み直したいと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マクロ的な視点で労働組合の内外の歴史が語られている。今の企業内組合の問題点など。その意味では読む価値はあるが、残念ながら課題に対する解決策が語られていなかった。著者の主観でよいので、何か提案があればよかった。
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長年労働運動研究に従事して筆者による労働組合論。
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無知はとことん搾取される。ブラック企業をのさばらせているのは企業側が法を無視する事が当たり前になっているのが最大の原因なのだが、労働者側も憲法に定められた労働三権を殆ど知らず、いいなりになり、泣き寝入りしている事も原因だろう。という点において日本では産業民主主義が全く実現されてない。
労働三権は小6で習うハズだが、殆どの人は知らないだろう。仮に知っている人でも権利は行使しない(というかできなくなってる)背景というのはよくわかった。新自由主義の結果、正社員の個別処遇化、雇用形態の多様化が進み、労働者はアトム化し連帯しにくくなっている。よって、もはや企業内組合は形骸化し、機能していない。変わって、先月「すき家」のストライキが話題にもなったように企業に縛られない、個人や任意加盟するコミュニティユニオン系が台頭し、個別紛争の支援を行う傾向が強まっている。これからこの動きは大きくなっていくのだろうか?
本書は労働組合の歴史や背景・現状分析は細かくてわかりやすい。特にP20の4象限分析(価値規範・生活を守る方途 の 個人主義と集団主義の位相)は目からうろこが落ちた。が、今後どうあるべきか?の提言・提案には乏しい(著者の主張は欧米型の産業別・職種別組合の推進のようであるが)。
普通の人が普通に働いて生きていく上で、労働三権は不可欠であり、国民の大多数であるノンエリートが身に着ける知識であろう。問題は生活を守る方途としての集団主義と価値規範としての個人主義との両立を果たす事が可能な仕組み作りをどのように進めるべきなのか?だろうと思う。 -
田村哲樹が紹介していたので読んでみた。序によれば、直球勝負で労働組合運動の昨日・今日・明日を語ってみるとのこと。横断的ユニオニズムが放逐され、年功制度が労働者に受容されていったプロセスは興味深かった。明日に関する部分については、例えば、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部と全日本港湾労働組合を取り上げ、「個別企業の支払い能力の壁を突き崩すような労働組合運動」をすすめられても、どうなんでしょうね。