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- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000044004
感想・レビュー・書評
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97年刊。同著者の01年刊ちくま新書『台湾』と大いに重複する(発行時期からして当然、新書の方が李登輝時代の記述が多めだが)。特に蒋経国とその時代への評価に関心があり読んだ。
70年代から一定の政治改革、国家エリートとその予備軍への台湾人の登用。美麗島事件などはあるも、80年代初頭に一旦(肉体的に)倒れて復活した後は、目立っていたタカ派の更迭と「安全パイ」李登輝の副総統起用、民進党結成の許容、戒厳令解除など。
これら変化の背景には、米国の視線もあっただろう。また著者は「変化した現実への体制の妥協」ともする。果たして李登輝が意中の後継者だったのかも不明だ。しかし同時に、蒋経国自身の決断が速かったとの証言も挙げる。「鋭敏さとリアリズムを持ち合わせたストロングマン」「体制の根幹にかかわる決定は・・・ストロングマン自身が下すしかなかった」との著者の評価が印象的だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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