ホー・チ・ミン―民族解放とドイモイ (現代アジアの肖像 10)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000048651

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  • 高森純一郎「疎遠なる同胞」「国家を背負って」に影響され、ベトナム熱。「国家を背負って」にはちらりと名前の出てきて、ホー・チ・ミンの概論を知りたくて。以下目にとまったところ/フランスについたホーチミンは「フランスにもベトナムのような貧しい人がいる」「フランス本国のフランス人はインドシナのフランス人よりも本当に丁重で礼儀正しい」という重要な発見をし、その後の思想形成に大きな意味をm持った。/1941年にベトナムという枠組みが「復活」した時、狭い意味のキン族主体のベトナム人だけではなく、ベトナムにすむ少数民族を包摂したものとなった。/ホーは自らが合理的と考えても、多数が納得していない方式を、権力を背景に強制することには慎重であった。(p.134)/ベトナム戦争における何よりも大きなホー・チ・ミンの功績は、冷戦時代に戦われたこの戦争を共産主義者と自由主義的ナショナリストの抗争としないで、ベトナム国内でも世界でも、基本的にはアメリカに対する独立と統一を求めるベトナム民族の戦いと認識されるような状況をつくりあげたという点にあると思われる。(p.163)/南ベトナムの軍事的力関係はテト攻勢よりもむしろ悪くなり、この劣勢の挽回に数年を要することになったのである。(p.170)

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著者プロフィール

古田元夫(ふるた・もとお)1949年生まれ。東京大学名誉教授。日越大学学長。
専門 ベトナム現代史
主要著書 『歴史としてのベトナム戦争』(大月書店、1991年)、『ドイモイの誕生:ベトナムにおける改革路線の形成過程』(青木書店、2009年)、『ベトナムの世界史――中華世界から東南アジア世界へ』(増補新装版)(東京大学出版会、2015年)など。

「2021年 『ベトナム戦争の最激戦地中部高原の友人たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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