- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000059800
作品紹介・あらすじ
もし「数の検定」というものがあれば、超級レベルの数たちを集めた本。難しい演算を駆使するのではなく、たし算やかけ算といった四則演算で、眩いばかりの驚くような性状を示す数たちである。次々に登場する数たちがなす深淵な宇宙にあなたも挑戦してみませんか。
感想・レビュー・書評
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数学
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数の不思議。高校数学レベルの内容が理解できれば、表面的な美しさがわかるはず。ただし、本書で省略されている証明や理論のところまで知ろうとするとパンクするんだろうなぁと感じる。
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【選書者コメント】数学をやりたくなる。
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数学の世界にちりばめられた珠玉のような妙なる美をいくつか、手にとって解説する1冊。
本文の解説は具体的でわかりやすい一方、発展して考えたい人のための参考文献も挙げられている。紹介されたものだけ読んで、その美しさに感心するだけでもよいし、自分でさらに拡張して考えてみてもよい。読む人の数学的センスや能力に合わせて読める本である。
以前からそこにあったのに見えていなかったもの、美しいもの、そしてその美が存在する理由を、間近に見せてくれる。
巻末の索引は簡潔だが、必要十分で、用語の意味が混乱してしまっても、すぐ確認できる。
原著は数と図形を併せて1冊にまとめているが、日本語版は読者の手軽さを考えて、数(本書)と図形(「魅惑の図形」)1冊ずつに分けている。
紹介されているのは、
・三角数・アームストロング数・友好数などの数の美しさ
・人に一歩先んじる計算技術
・覆面算などの数学パズル
・同じ演算を繰り返すと堂々めぐりとなる計算ループ
など。
数学マニアの人、パズル好きの人、学校の数学が苦手だった人、小川洋子の『博士の愛した数式』が好きだった人、いろんな人が楽しめる本だと思う。
数学アレルギーの人も大丈夫。本書は「『脅威』の数」ではなく、「驚異の数」ですから。
*著者はいずれも数学教育の先生、訳者は理論計算機科学が専門だそうで、日経サイエンスの数学パズル(「パズルの国のアリス」)を担当している(余談だが、個人的には、このパズル、難しくて毎月斜め読み・・・)。訳者による原著への冷静な突っ込みなどもあり、そういうところが何だか、ああ数学の人だなぁという感じがする。
*あとがきをノーベル賞受賞者の数学者であるハーバート・ハウプトマンが書いている。ノーベル賞には数学賞はないだろう・・・?と思ったら、結晶構造の決定に数学を利用したということで、化学賞を受けているんだそうだ。この人の子ども時代の話がおもしろかった。栴檀は双葉より芳し・・・。
<以下、与太な雑感・・・>
**7の倍数・13の倍数の判定法はなるほど~とは思ったが、覚えていて使うかは微妙。実際に計算しちゃった方が早い気がする。一の位が5である二桁の数の二乗の話は、一頃流行ったインド数学を思い出させる。計算ループの視覚化がおもしろかった。
**十進数の世界で成り立つものが多く紹介されている。多分、七進数とか、十三進数とか、他の体系では、似たパターンで、しかし他の数値になるのだろうなとは思うが、漠然と想像するのみで、実際に計算してみるのはちょっと自分の手には余る・・・。
**そういえば「ユー」クリッドと「オイ」ラーの綴りはいずれも”Eu”だな、と、数学に関係ないところが気になるあたりが、自分の数学的センスの限界を物語っているのかも(^^;)。 -
数字トリビア、飲み屋で使うにはやや難解、といったクラスのものがひたすら続く。無理数もあるが、ピタゴラス学派の教科書といったところか。ちょっと数字が多すぎて胸焼けする。詳細はWebにして本では省略しても良いのでは。あと、乗算、除算で各国の筆算事例を挙げているが、折角の訳書なのだから訳注で日本のことも追記しても罰は当たるまい。
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整数論もこのように展開することで、興味深い読み物になる。ほとんど実際の生活や社会の役に立たない点が実に潔い。研究、あるいは趣味とは、かくあるべしという、よき例である。一見無駄で役に立たない数を定義し、その数の性質を調べて、素直に驚くところが素晴らしい。あえて証明を長ったらしくしないこともよい。自由に定義して、一定の操作をして、その系の中で驚きを見つけ出す。これは、マジックのタネの山になっている。ちょいとひねって、パーティーの余興にするとウケること間違いなし。
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読みにくのと、誤植が多いらしい。