- Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000071734
感想・レビュー・書評
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病弱な体質ながらも子供ながらに喜びや悲しみを見つけながらとゆっくり時間が流れていく。目に映るささいな物に心を震わせる幼いならではの感受性。
その場面場面の感情を書いているけど淡々としていて
その小さな世界の感じが良かった。
伯母と戦ごっこをする描写がかわいい。
伯母がいい人だなぁ…最後の別れの時は悲しかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
子供の時の思いが、ふつふつと、甦る。そんな本。
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退屈すぎて、流し読み。
エチ先生の本を読む前に、本物を読んでおこうって思ったのですが、大失敗。
日常の話だけで、エンタメ性が皆無です。
随筆なので仕方ないのですが…
文学的な素養のない私には、全く面白さがわからず。
こういう退屈な本を子供に読ませたら、本を読む習慣なんて身につかないと思うんだよな~
あまりオススメしません。 -
小学生の頃に読んだら、つまらない本だと思った。今の自分の日常と変わらない事が書いてあったから。なにが面白いのかわからなかった。今は、母がこの本をすすめてくれた気持ちがよくわかる。一生のうちに何度も読みたい本。読むたびに発見がある。
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すべての情景に生き生きと血が通い、なによりも文章そのものが美しい。
大人の回顧した子供時代の情景というより子供の感じたものそのものが描かれている印象。 -
子供の時代の美しさが閉じ込められた文章。
幼き日の短い生涯の中でも移ろいゆく時への感傷を持つ心が胸を打つ。 -
人の成長は、周囲に促されて進むのではなく、自分の実感、経験によって進むのだと感じた。
お惠ちゃんとのやり取りは甘酸っぱい想いがした。
母親に叱られて富公と遊ばなくなる、これが昔の姿か。
大正元年の作品。 -
「そのとき子供の小さな口へ薬をすくいいれるのには普通の匙では具合がわるいので伯母さんがどこからかこんな匙をさがしてきて始終薬を含ませてくれたのだという話をきき、自分ではついぞ知らないことがなんとなくなくかしくてはなしともなくなってしまった。」
「生きもののうちでは人間がいちばんきらいだった。」
「あだかもお互いの友情が手から手へ織りわたされるかのようにむつましくそんなにして遊びくらした。」
「私はそのにらめっこが大きらいであった。それは自分が負けるからではなくて、お惠ちゃんの整った顔が白目をだしたり、わに口になったり、見るも無残な片輪になるのがしんじつ情けなかったからである。」
「先生だってやっぱり人間だとおもうから」
「そうして力なく机に両方のひじをついて、頬のようにほのかに赤らみ、顎のようにふくらかにくびれた水密をてのひらにそうっとつつむようにくちびるにあてて、その濃やかなはだをとおしてもれだす甘いにおいをかぎながらまた新たなる涙を流した。」
ずっと読んでみたいなと思ってた
夏目漱石が絶賛したという名作
これはこれでいいのかな
思わずクスクス笑いたくなるところもあり
ふっくらとした音のする、とか
そういう表現がわりと好み -
子供は楽しみだけでなく、哀しみも見抜いてる。