それから (漱石文学作品集 8)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000090087

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  • 「今日始めて自然の昔に帰るんだ」
    誰かを愛したことを自覚した時、人は強くたくましくなっていくんだな‥と読んでいて感じます。「姦通罪」がある時代に、親友の妻を愛してしまったこと‥それゆえ相当な苦しみと「アンニュイ」に陥る主人公を描いています。有産階級のニート的暮らしぶりは違和感を覚えるかもしれませんが、漱石が伝えたかったのは、『人はパンのみに生きるにあらず』ということだったのではないでしょうか?
    上品なシチュエーションと主人公の内面の分析のち密さから、漱石の知的水準の高さを読みとることができます。
    タイトルの『それから』は、愛のために困難を引き受ける覚悟をした後、という意味にもとれます。純白の百合の花のかぐわしい香りのする作品です。

  • それから

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著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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