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- Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000090087
感想・レビュー・書評
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「今日始めて自然の昔に帰るんだ」
誰かを愛したことを自覚した時、人は強くたくましくなっていくんだな‥と読んでいて感じます。「姦通罪」がある時代に、親友の妻を愛してしまったこと‥それゆえ相当な苦しみと「アンニュイ」に陥る主人公を描いています。有産階級のニート的暮らしぶりは違和感を覚えるかもしれませんが、漱石が伝えたかったのは、『人はパンのみに生きるにあらず』ということだったのではないでしょうか?
上品なシチュエーションと主人公の内面の分析のち密さから、漱石の知的水準の高さを読みとることができます。
タイトルの『それから』は、愛のために困難を引き受ける覚悟をした後、という意味にもとれます。純白の百合の花のかぐわしい香りのする作品です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
それから
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