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- Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000090148
作品紹介・あらすじ
常に書斎のガラス戸の中に座し、静かに人生を思い社会を観察した著者の小品集。余り多く自己の周囲を語らなかった著者がほとんど初めてここに自己の周囲を回想し観察し、その姿を赤裸々に描写した。中には著者の哲学と人格とが深く織り込まれているが、軽妙、洒脱、絢爛な筆致も特筆すべきものである。
感想・レビュー・書評
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晩年に記された漱石の随筆は技巧的な書き方をしていない平たい文体が特徴的で、それでいてこちらを確実にグリップする力を備えている。迂闊に「エッセイ」「身辺雑記」として読み飛ばさせない稀有な力/魅力があると言うべきかもしれない。「修善寺の大患」を経験し、まさに死の淵からこちらに戻ってきた漱石にとってそんな死など予感さえ感じたことがない人々の暮らしはどう映っただろう。不穏な健康状態に生きる自分とそうした平穏な世界との間の壁を感じ(その壁として「硝子戸」が浮かび上がる)、それでも生きようと説いた随筆。実に素晴らしい
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思い出す事など、長谷川君と余、子規の絵、ケーベル先生、ケーベル先生の告別、戦争から来た行違い、変な音、三山居士、硝子戸の中
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