岩波講座 現代社会学〈15〉差別と共生の社会学

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  • / ISBN・EAN: 9784000107051

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  • 【書誌情報】
    ■体裁=A5判・上製・カバー・256頁
    ■品切
    ■1996年4月12日
    ■ISBN 4-00-010705-4 C0336

     差別は今どのように構造化されているだろうか.民族差別からいじめまで,社会と文化のあり方を問い,複合する現代社会の差別の本質を見据える.古くて新しい課題の克服へ向けて.
    [執筆者]
    チョン・ヨンヘ,赤坂憲雄,山崎敬一,山崎晶子,立岩真也,花崎皋平,金静美,手塚和彰,湯浅俊彦,石川准,保坂展人,上野千鶴子,福岡安則.


    【簡易目次】
    鄭 暎惠 アイデンティティを超えて 001
    赤坂 憲雄 常民の形成――「土佐源氏」を読む 034
    山崎敬一・山崎晶子 差別のエスノメソドロジー 場面の組織化とカテゴリーの組織化 055
    立岩真也 能力主義を肯定する能力主義の否定の存在可能性について 075
    花崎皋平 アイヌシモリの回復――日本の先住民族アイヌと日本国家の対アイヌ政策 093
    キム チョンミ 国民国家日本と日本人「移民」 109
    手塚和彰 日本における外国人労働者の共生と統合 133
    湯浅俊彦 差別的表現と「表現の自由」論 155
    石川 准 アイデンティティの政治学 171
    保坂展人 いじめ――排除の政治学 187
    上野千鶴子 複合差別論 203
    福岡安則 差別研究の現状と課題 233



    【シリーズの構成】
    ※岩波講座 現代社会学
    [構成] 全26巻 別巻1
    [編集委員] 井上俊,上野千鶴子,大澤真幸,見田宗介,吉見俊哉 
     隣接諸科学の成果をも吸収しつつ,社会学の多様なテーマの広がりと理論的蓄積を体系的にとらえる本格的な講座.世紀の転換点に立って大きな変動に直面する現代社会の様々な現象を読み解き,問題の本質を浮き彫りにする.

    〈全巻の構成〉
    ◆ 1 現代社会の社会学
    ◆ 2 自我・主体・アイデンティティ 
    ◆ 3 他者・関係・コミュニケーション 
    ◆ 4 身体と間身体の社会学 
    ◆ 5 知の社会学/言語の社会学 
    ◆ 6 時間と空間の社会学 
    ◆ 7 〈聖なるもの/呪われたもの〉の社会学 
    ◆ 8 文学と芸術の社会学 
    ◆ 9 ライフコースの社会学 
    ◆ 10 セクシュアリティの社会学 
    ◆ 11 ジェンダーの社会学 
    ◆ 12 こどもと教育の社会学
    ◆ 13 成熟と老いの社会学 
    ◆ 14 病と医療の社会学
    ◆ 15 差別と共生の社会学
    ◆ 16 権力と支配の社会学
    ◆ 17 贈与と市場の社会学
    ◆ 18 都市と都市化の社会学
    ◆ 19 〈家族〉の社会学
    ◆ 20 仕事と遊びの社会学
    ◆ 21 デザイン・モード・ファッション
    ◆ 22 メディアと情報化の社会学
    ◆ 23 日本文化の社会学
    ◆ 24 民族・国家・エスニシティ
    ◆ 25 環境と生態系の社会学
    ◆ 26 社会構想の社会学
    ◆ 別巻 現代社会学の理論と方法

  • 進む方向に誤りが無いか、絶えず自問自答を続けながら無限に、この一歩一歩を繰り返す。その過程こそが解放だ。
    自己記述/自己批判/
    人は道徳的自己像を作り上げようと望む限り、自分の道徳性を引き上げ、他者の道徳性を引き下げる争いに必然的に関与してしまう。
    価値の取り戻しと存在証明からの自由とは規制の支配的な存在証明の体系を掘り崩す潜在力を有するという意味において一連のものである。価値の取り戻しは規制の価値の相対化と価値増殖をもたらすかもしれない新しい価値を創造し、社会に提案し、その承認を求める事によって。一方存在証明からの自由は存在証明の圧力そのものを無視/軽視する事によって秩序原理として作動する存在証明のシステムとそのようなシステムに依存して存在する社会のあり方を一挙に揺さぶる。
    価値を増殖しようとする営みと価値から自由になろうとする営み、あるいはアイデンティティへの自由とは、アイデンティティ問題を解決するための手段という意味を遥かに超えて解放と共生へと社会を向かわせる可能性を含んでいる。
    だれしも被差別部分と差別的強者の部分を多元的に有している。(上野さん)

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著者プロフィール

大阪大学名誉教授

「2020年 『よくわかるスポーツ文化論[改訂版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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