- Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000227131
作品紹介・あらすじ
世界をリードする建築家、磯崎新。磯崎において、過去・現在・未来はどのように意識され、またそれは建築とは何か、建築家とは何かという、本質論的なアイデンティティの問いにどうかかわっているのだろうか。気鋭の建築史家が磯崎の主要な作品と言説を取り上げることを通して、建築における時間の意味を批判的に検証し、日本の近代建築史とそこにおける磯崎の存在について考察。その挑発的議論とクロスさせながら、建築家自信が批判に応えて自らの考え方、思想、歴史意識を明らかにし、応酬する異色の建築論の対話。精神分析的ともいえる土居の核心を衝く深い読みを受けて、磯崎自身が意欲的に対応したまさに白熱の「建築バトル」。
感想・レビュー・書評
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対論 建築と時間
(和書)2010年06月13日 15:37
2001 岩波書店 磯崎 新, 土居 義岳
とても面白い本でした。
この本を読んでいたら、勉強意欲が出てきました。
建築というもの時間というものの切り口が面白くとても良かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とても面白い。建築家としての、人間としてのスタンスにまで話は及んでいる。批評とはそういうものだと改めて思った。
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土居による磯崎新論。各章のつなぎには、磯崎自身による作品注解を基本とした応答まで組み込まれている。「時間」というファクターが磯崎分析に対していかに有効であるのかいまいちわからない。作品発表の後にも次々と自ら批評を加え新たな意味を担わせたり、廃墟に過去と未来を同時に見たり、そういう磯崎のスタンスを示すための言葉だったんだろうか?それはもちろんそうだけれど、それがすべてではない。おそらく、それを空間主義であった近代建築あるいは、あるモデル=永遠性を担保していた古典主義建築と歴史的視点から差別化することに貢献するために用いられた概念だ。これももちろんそうだけれど、これがすべてでもなさそうである。ふむ、結局わかってない。作家や歴史に関する知識の充填という読み方しか出来なかったのけれど、ひとまずそれは読み手の力量不足によるものだと断定しておく。土居の文章はいつもこういう風にしか読めないんだよナー、あまりに頑強で骨太で、噛み砕いて咀嚼できひん。いつか読める日がくるかしらん。