- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000248648
作品紹介・あらすじ
本書は、日本人が水について直面している課題の解決の手がかりを先人たちの知恵から探る。そこに創造性を見出して、それぞれの地域の生活の実態に根ざした方策を考えようとしている。「衛生的でまずい水」ではなく、「健康的でうまい水」を飲みながら暮らしていくためにはどうすれば良いか?「水の有機農業」「里川」「コモンズ」「ローカル・ルール」といった著者ならではの視点から、私たちがこれから進むべき方向性を論じる。
感想・レビュー・書評
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地球の中での淡水の総量は限られている。そして人口爆発、水の汚染・・・。環境保護の大切さを著者は主張している。日本は水は豊富とされてきたが。冒頭に紹介されている「春の小川」の川がさらさらと流れ、岸辺に花が咲き、メダカが泳ぐ、見ていて楽しい空間であった川!という記述は、著者がそして私が身近に見てきた仁川に相応しい描写だと思った。霞が浦、潮来の記事も郷愁をそそられた。そして沖縄・竹富島の水。イギリスの絵のように美しい湖水地方は、歴史的に作られたもの、優しい自然であること、人間の生活がさりげなく入っているもの。それが日本に共通するとの指摘にも賛同。日本の土地所有権に関する私権の強さは欧米の使用権と大きく異なることの背景の説明は考えもしなかった。それが、近代国家を作っていくうえで、農民たちを保護するためであったとの説明は、土地とは誰のものか?という考えが、普遍のものではないことを改めて教えられる。今でも上水道を意図的に設置していない自治体があり、前近代的というとらえ方はせずに、湧水を利用している!それを良しとする著者の姿勢は神戸・西宮の水の恩恵を受けてきた著者ならでは。
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うち
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県立 総合的な本 いいです