量子論と物理学の分裂

制作 : 小河原 誠  蔭山 泰之  篠崎 研二 
  • 岩波書店 (2003年11月27日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000255585

量子論と物理学の分裂の感想・レビュー・書評

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  •  ポパーによる、量子論の中のコペンハーゲン解釈の背景となっている観念論批判。訳者あとがきによれば、実在論者であったポパーにとって、実在論の極みだった物理学上に、突如観念論に支えられたコペンハーゲン解釈が現れたことにポパーは衝撃を受けた、とのことだった。
     特に着目したいのが、確率の傾向性解釈である。量子力学においてシュレディンガーが導いた波動力学にボルンが確率的解釈を持ち込んだのだが、コペンハーゲン学派は、この確率を観念論的に解釈した(タチの悪いことに)ボーアたちは自身を実在論者と思っていたらしい)。ボルツマンによる古典統計力学において統計が理論物理学に登場したが、当時は主観的解釈(それぞれの粒子のふるまいがよく分からないから、とりあえず統計でカバーするといったところか…)。そのようなコペンハーゲンに対して反論する。
     何がすごいって、かれは哲学者であるのに、ここまで本格的に数学や量子力学を理解しているところがすごい!アインシュタン、ボーア、ハイゼンベルク、パウリなどのノーベル賞を取った物理学者に一切劣らぬ論を展開する。哲学者はかくたるべし!が良く分かった!と同時に、確率の解釈が非常に複雑であることが分かった。ポパーすごし!!

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